2008.02.03
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夢と希望を与えるアウトリーチ活動(文化普及活動)

山形県川西町立小松小学校 教頭 小林 孝

■音感は4歳・味覚は9歳までで決まる■

という話を聞いたことがあります。
個人差はあると思いますが、いろいろな感覚の基礎は、幼少時の体験で決まってしまうということなのだと思います。
ですから、小さいうちから生の、しかも、一流のものを味わわせたいと考えているのですが、なかなか思うようには行きません。
その理由として、限られた予算、時間的な制限、人材情報の不足などが挙げられます。

■若手音楽家の来校■

そんな折り、地元の上杉文化振興財団より、「アウトリーチ」の話がありました。
これは、地区内の学校に地元の若手芸術家を派遣し、演奏やワークショップを行うという取り組みでした。
もちろん、ぜひお願いしたいと即答しました。
1回目にお見えになったのは、地元在住のピアニスト大野木さん。
素人の私が言うのは失礼ですが、その技量は、実に素晴らしいものでした。子どもたちも指の動きに目を見張り、その演奏の素晴らしさに聴き入っていました。

■アウトリーチの効果■

私は、この事業を受け入れるまで「アウトリーチ」という言葉や活動を知りませんでした。
この度の事業は、地元の若手音楽家による出前のワークショップ・コンサートのようなもので、次のような効果があると感じました。

[子どもたち]
 ・演奏者との距離感がなくなり、音楽をより近くに感じる事ができる。
 ・プロの演奏を聴き、音楽の素晴らしさに触れることができる。
 ・夢や目標が創られる。
[若手芸術家]
 ・音楽家自身の社会的な役割や、活動の場を広げる可能性がある。
 ・地元在住の若手音楽家に対する音楽活動の支援が図られる。

つまり、子どもには「夢」を、若手演奏家には「希望」を与えてくれる事業なのではないのだろうかと考えています。

教育予算は、年々厳しくなる傾向にありますが、将来を担う人づくりにこそ、充分な予算を配分してほしいと願わずにはいられません。

※写真は、若手演奏家による授業の様子。
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小林 孝(こばやし たかし)

山形県川西町立小松小学校 教頭
これまでの教員生活・自分の子育て・趣味(バンド活動)・日常生活などから、感じたことや考えたことを綴りたいと考えていますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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