2008.01.22
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「学校給食」ってなんだろう?

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

 1月24日から30日は「学校給食週間」です。
ところで、みなさんは、「学校給食」ってなんだと思いますか?

 給食費の未納問題が、いろいろとクローズアップされています。あまりに未納が多い自治体や学校では、ついに、給食を事前申し込みや、チケット制などにして、前もってお金を払った生徒にのみ、提供するというところもあるようです。

 また、
「食事の準備は、家庭の責任。弁当をもってこさせればいい。」
 という発言がある一方、給食室の改修工事等で給食が提供できなくなると
「菓子パンでもなんでもいいから、とにかく給食をだしてくれ」
 という声も寄せられるそうです。

 先日、ある区の保育園給食の学集会に参加したときのこと、
「いいものを出してくれるにこしたことはないが、弁当にさえならなければ、保護者としてはどんな形であれ、給食があってくれればいい」
 という発言があり、がっかりして帰ってきました。

 そもそも、「学校給食」とは、何なのでしょう?
 保護者の方が支払う給食費は、食材料費のみです。電気光熱水費はもちろん、人件費等は一切含まれていません。つまり、税金でまかなわれているわけです。
「とにかく食べさせてくれればいい」
「お金を払わない子どもには食べさせるな」
 そんな簡単なものなのでしょうか?

 毎日、多くの人の手をかり、願いをこめて作られる給食。子どもの栄養補給を目的に始められ、その後、子どもの心とからだの健全な発達に関する教育上の役割が認められた給食。
「給食費を払わない」
 ということのみを問題にするのではなく、
「学校給食ってなんだろう?」
 そんな問いかけが広まってくれるとうれしいのですが・・・。

 1月は、伝統行事が色々ありました。子ども達に聞くと、知っている子とまったく知らない子に別れているようです。家庭での取組みによって、子ども達の知識に差が出てきています。学校給食では多くの伝統食を組み入れています。子ども達にはなじみが少ないものもあり、手付かずで戻って来たこともありますが、今年の「あずき粥」はgood。
 ちょっと、うれしい新年のスタートでした。

写真上:1月15日 小正月 小豆粥風白玉デザート
  下:調理実習の様子
200115_s.jpgDSC02688_s.jpg

宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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