2008.01.04
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『経験で学ぶな』

津田塾大学 国際関係学科4年 おおうみ のぼる

先日、テレビを見ていたら、そのような言葉を見つけました。
映っていたのは、文化財を修復する職人さん。
よく意味がわからないので、父に尋ねてみると
「経験で学ぶということは、失敗を重ねるということ。
この仕事は失敗できない。
だから、まずは勉強しろと言っているんだ」
なるほど、と納得。

★ ★ ★

近頃、ネットにハマる児童・生徒が多いようです。
この現象について、私は「そういう時代だから」とは言いたくありません。
ネットは、生徒がなにかを頭で「思考」したり「自覚」したりする前に
情報だけすっとインプットさせます。
そして、無意識のうちに何らかの「強い感情」を湧き上がらせます。
思考のない感情移入は危険な代物です。

★ ★ ★

たとえば
ここに一本のビデオがあって
食料を得るために羊をさばく男と
その一連の出来事がすべて映し出されていたら
男は「野蛮人」ということになってしまうでしょう。

しかし
もし、ビデオを見た人が
そこに羊以外の食料がなかったり
その日が祭りの前日だったり
羊を余すところなく利用したりすることを知っていたら
男は「野蛮」ではなくなるでしょう。

★ ★ ★

勉強なんて必要ないという教え子が結構います。
「知らない」という恐ろしさを、せめて知ってほしい。

おおうみ のぼる(おおうみ のぼる)

津田塾大学 国際関係学科4年
2005年4月、自転車サークル「なかよしさいくる」に入会。同年6月、文芸サークル「無知の知」を創設、現会長。 書くことに自分勝手な塾講師。

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