2007.11.27
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干し柿といっしょだぁ  大人の声掛け

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

 先日、近所のお年寄りを招いての「かたりべの会」がありました。給食では「すいとん」と「蒸しさつまいも」を食べました。すいとんは、とっても具沢山で、「昔のすいとんはこんなに豪華じゃなかった」「粉が貴重だったから、こんなに団子団子しなかったよなぁ」など、ちょっと、「昔のひとがよく食べていたたべもの」とは違ってしまったようですが、大人たちは子どもの頃や昔食べたなつかしの味を思い出すよいきっかけとなったようです。

そして、シンプルに「蒸しさつまいも」。「おやつっていうとこういうものだったよなぁ」「昔は落ち葉を集めて焼き芋にしたわよねぇ」こちらも思い出話にはながさきました。現代の子どもたちはどんなおやつを食べているのでしょうか?どのような思い出を築いていくのでしょう。

さて、2年生はこの日、学年の花壇(1畳ほど)で取れたさつま芋をたべました。ドロつきのさつま芋は、担任の先生が職員室前で日光浴をさせた後、給食室へ。大きいのやら小さいのとさまざまな形のさつま芋。調理員さんも頭を悩ませながら、けんかをしないようにと人数分に切り分けてくれました。とても甘く、「自分たちがとったお芋のほうがおいしかったぁ」ととてもうれしそうに声をかけてくれます。

1組の先生が「日光に当てると、甘味が増すと話したら、『干し柿と一緒だぁ』といった子どもがいたのよ。驚いちゃった。」とお芋を干しながら話してくださいました。きっと、おじいちゃんかおばあちゃんに聞いたことがあったのでしょう。何気ない声かけを子どもたちは意外と記憶してくれているんだなぁとうれしく思いました。
大人たちの日々の声かけが、子どもたちの新しい発見や気付きへの手助けとなることを改めて感じました。

23日は「勤労感謝の日」でした。最近は、祝日など「なんで休みなのか知らない」という子どもも増えていると聞きます。身の回りで知らず知らずのうちに生活を助けてくださっている方々に気づけるかどうか。感謝できるかどうか。そんな心の成長のためにどんな声かけ働きかけができるのか。祝日を「学び」「気付き」のチャンスとして活用していきたいものです。


写真上 当日の給食
写真中 収穫したサツマイモ(1クラス分)
写真下 かたりべの会の方たちも一緒にお食事

 かたりべの会のみなさんへのお礼の手紙の中で「ぼくたちの育てたおいもはおいしかったですか?」と聞いている子どももいたそうです。
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宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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