2007.11.25
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

親として・小学校教員として

山形県川西町立小松小学校 教頭 小林 孝

■医師の言葉は「覚悟してください」■

「いたいよー、頭いたいよー。」
息子が3歳の時のことです。
風邪をこじらせたと考えていた私たち夫婦に、息子は泣きながら「我慢できない」と訴えてきました。
症状は、高熱・頭痛に加え、吐き気と下痢。いつもと様子が違います。
主治医からは、すぐに専門医療を行うことのできる病院での受診を勧められました。
診察の結果、髄膜炎の疑いがあるとのことで、
「最悪の場合は、覚悟してください。」との医師の言葉に、ぼう然とするしかありませんでした。
幸いにも、息子は無菌性髄膜炎で、半月余りで退院することができました。

■親としての願い■

入院中の息子に対する思いは、ただ一つ。
「早く元気になって欲しい」
退院後は、「このまま丈夫に成長して欲しい」。
そして、成長するに連れ、期待は次第に大きくなっていきました。
しかしながら、なかなか親の考えるようには育たないものです。
いつしか、次の3点が願いとなっていました。
 ○健康でいてほしい
 ○存在感のある(役に立つ)人になってほしい
 ○人から慕われる人になってほしい
お陰様で、息子は福祉施設の職員として、勤めさせていただいています。

■見習いたい ある母親の姿■

長年教師をしていると、いろいろなタイプの子ども・保護者に出会います。
そんな中で、特に印象に残っているお母さんがいます。
それは、常に我が子の成長を喜び、心から褒め続けていたお母さんです。
がんばった時には、心から「すごいね」と褒め称え、
例えテストが良くなくても、「がんばったね」と声がけをされていました。
もちろん、その子は母親に認めてもらえる嬉しさから、次々といろいろなことに挑戦し、力を付けていったのです。
「先生、私は学歴もなく学校の勉強は良く分からないけど、子どもの成長が本当に嬉しいんです。」
と語ってくれた、あの優しい笑顔が浮かんできます。
その子は、現在、建設関係の仕事のリーダーとして活躍しています。

■小学校教員として■

子どもたちの個性を伸ばすためには、一人一人の長所を即答できるように心がけることが大切だと考えています。
それは、教師が子どもたちの長所を常に意識することでき、
いろいろな機会に一人一人の活躍の場を設定することができ、
良さを認めることに繋げることができるからです。

それから、小学校は、いろいろな種を蒔く(種々の体験)時期だと考えています。
経験から学んだ技能や知識が、生涯の財産となる時期だと考えているからです。
私自身、小学校高学年で鉄棒運動や跳び箱運動を鍛えていただいたお陰で、
今でも鉄棒で宙返り降りをすることができます。
褒めていただいたおかげで、熱心に取り組んだからだと思います。
「自信」というのは、非常に大きな力を発揮するものです。
自分の経験を振り返ったとき、「学び方」「生き方」を教え、
「自信」を持たせることがいかに大切かということを、改めて思います。

[写真は栗の生長]
kuri1_s.jpgkuri2_s.jpgkuri3_s.jpg

小林 孝(こばやし たかし)

山形県川西町立小松小学校 教頭
これまでの教員生活・自分の子育て・趣味(バンド活動)・日常生活などから、感じたことや考えたことを綴りたいと考えていますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop