2007.12.07
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なんか変な感じ

津田塾大学 国際関係学科4年 おおうみ のぼる

本屋で子供が泣いていました。
どうも、おねだりが失敗した模様。
あんまり泣くからでしょうか。
「欲しいなら、お父さんに言いなさい」と母。
「どれがいいんだ?」と聞く父。
なぜか泣き続ける子供。
そして次の瞬間、本が床にぶつかる音がしました。
ななな、なんと。
子供が投げたのでした。

母「やめてよ!」
父「……」
あ、あれ、父の声が聞こえない。どこへ行ったのでしょう?

また、バシンという音。
母「持てないんだったら、お母さんが持つから。ちゃんと持ってよ」
……ん?
母「お母さんを困らせないで」
……………んん??

★ ★ ★

変じゃないですか?
だって、本はまだ買っていないんです。つまり、まだその子供のものではない。
本屋さんの「売り物」です。
母は、それを投げたことを、まず叱るべきでは。
汚れた本は価値が下がります。まして角の折れた本など。

★ ★ ★

ううーん、なんだか遣る瀬無い気分でした。
私が子供のころは、父が大事にしていた手塚治虫氏の漫画に触れることも許されませんでした。
「本」とはつまり、それくらい大事にするものだと思っていたのですが。

★ ★ ★

これも、子供たちにとって、欲しいものが容易に手に入れられるようになったという証なのでしょうか。
物書きの卵としては、悲しい限りです。

おおうみ のぼる(おおうみ のぼる)

津田塾大学 国際関係学科4年
2005年4月、自転車サークル「なかよしさいくる」に入会。同年6月、文芸サークル「無知の知」を創設、現会長。 書くことに自分勝手な塾講師。

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