2007.10.28
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トランペットの個体差から「個性」について考える

山形県川西町立小松小学校 教頭 小林 孝

■トランペットという楽器■
 早いもので、トランペットを手にしてから、もう38年になる。
 このトランペットという楽器は、唇を振動させ、それを楽器に伝えて音にする。金管楽器は、全てこんなふうにして音を出している。

 初めて見る方にとっては、どのトランペットも同じように見えるだろうが、材質や構造などに違いがある。
【写真上:一番下はコルネット】

 演奏してみると、その鳴りは実に様々で、ベルから広がるように鳴るもの、鳴りに直進性の感じられるもの、やわらかな音色のもの、輝かしい音色のもの、ジャズに向くもの、クラシックに向くものなど、まるで、子どもたちの個性のように個体差がある。

 それは、次のような違いがあるからである。

 ○材質……多くは真ちゅうでできていて、そのうち銅の成分量が増えるにつれて、音色は柔らかくなる。
 ○表面……変色防止と音色に変化を与える目的で、ラッカー・金メッキ・銀メッキなどの処理が施されている。
 ○構造……支柱の有無やベルの大きさ、つば抜きの作りなどに違いがある。
 ○マウスピース……唇の振動を楽器に伝える部分で、形やカップの大きさ・重さなどに違いがある。【写真下】

■演奏に影響を与えるもの■
 トランペットの個体差は上記の通りであるが、この演奏に大きく影響を与えるものがある。それは、唇(奏者)である。

 言うまでもなく、唇の形や大きさ・厚さ、歯並びなど、個人個人が異なるため、音色にも違いが出てくる。つまり、同じトランペットを演奏しても、奏者によって音色が微妙に違ってくるのである。

■個性を生かすために■
 楽器は、使わなかったり手入れが悪かったりすると、しっかり鳴ってはくれない。だから、日頃の活用と管理が大切である。

 奏者もまた、常に練習をして鍛えておかないと、思うような演奏ができない。
 両者が上手く噛み合った時、はじめて納得のいく演奏となる。
 
 「トランペット・マウスピース・奏者」を、「子ども・教育方法・教師」に置き換えて考えてみてはいかがだろうか。
tranpet_s.jpgmausupisu_s.jpg

小林 孝(こばやし たかし)

山形県川西町立小松小学校 教頭
これまでの教員生活・自分の子育て・趣味(バンド活動)・日常生活などから、感じたことや考えたことを綴りたいと考えていますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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