2007.09.29
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情報漏洩を防ぐ1つのコツとその方法

立教大学コミュニティ福祉学部兼任講師/(有)教材ドットコム代表取締役社長 吉田 喜彦

9月ももう月末ですね。新学期がはじまってそろそろ落ち着いてきた頃ではないでしょうか。いっぽうで、学校行事なども増えてくる季節、何かとバタバタしますね。

みなさんは学校行事のデジカメ画像などのデータはどう管理されてますか?自分のパソコンや、学校配給のPCで処理など、いろいろかと思います。学校ごとに環境がバラバラなのが実情ではないでしょうか。しかし、これらが漏れたりするとことは重大です。まして、成績データですと大問題です。

セキュリティの観点からいいますと、万が一を考えて常にシステムを構築することが重要です。セキュリティの考え方は性悪説に立って物事を考える、ということです。これは教員の世界ではなじみづらい発想かもしれません。しかし、そこは気持ちを切り替えていただきたいのです。

例えば具体的には、

・パソコンは盗まれるもの
・USBメモリは落としてしまうもの
・誰かがデータを持ち出すもの

というケースを予め想定しておくということです。これらを回避する完璧な方法はありません。システムで完璧にしたとしても、印刷物が盗まれるという事件もあとを立ちません。実は情報漏洩事件ではその流出経路の多くは紙だという調査もあるくらいです。

完璧という方法は存在しません。しかし、常に全員が意識を持ち、定期的にシステムを見直すという「風土」が生まれることが重要なのです。漏れるときはたった1人でも不徹底であれば漏れます。やるなら徹底的に、なのです。

ただ、システムについては、導入するかしないか、でもかなり変わってきます。そこで、前述のリスクに遭遇することを想定した場合の対処としては・・・、

データはサーバーで管理する

データは常にサーバー上で操作をし、絶対に自分のPCには保存しない。そうすれば、もし万一ノートパソコンが盗まれたとしても、すぐに漏れることを防げます。管理を集約し、データを作業者PCに残さないことが大切なのです。

勿論、それを徹底するところはアナログなのですが、それでも定期的にサーバーの利用ログを公開するなどして、監視しているという意識を持ってもらうだけでも違うでしょう。

ITの世界は今、管理集中、そしてソフトウェアもサーバー上に置く、処理集中の流れに向かっています。代表的なものは、Google社が提供している、GoogleSpreadsheetsです。ブラウザ画面上で表計算ソフトが動き、そのデータはGoogleに保存できます。PC本体にはエクセルさえ不必要なのです。

http://www.google.com/google-d-s/intl/ja/tour1.html
(Googleドキュメントの解説ページです)

ついうっかり、が大きな事故につながります。防災訓練と同様に、普段からセキュリティに対する心構えを全員で共有するようにしましょう。

吉田 喜彦(よしだ よしひこ)

立教大学コミュニティ福祉学部兼任講師/(有)教材ドットコム代表取締役社長
情報系専門学校教員から独立し、97年より企業研修や大学、地域での生涯教育など教育活動を展開しています。研修講師ブログにて日々を公開中。

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