2007.09.16
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Kiwi-BEST

文京学院大学女子中学高等学校 英語科(英語クラス検討委員) 佐藤 泰正

これまでにも何度か、本校の英語クラスの学習活動についてお伝えしてきましたが、今回はそのクライマックスともなるKiwi-BEST(ニュージーランド(Kiwi)への語学研修(Bunkyo English Study Tour))について紹介いたします。

 本校には設置されて23年目を迎える英語クラスがあります。設置当初のカリキュラムを見てみると、クラスを分割したNative Speakerによる(日本人教員は加わりません)授業が3年間で3種類(勿論、試験問題も評価も本校の基準に従ってNative Speakerが行います)、3年間で30単位を超える英語の履修科目など、その当時としてもかなり先進的な学習活動を行っていたと、身びいき抜きに感心してしまいます。

 そのような英語クラスで、実地の語学研修を実施することになったのが16年前。2年生を対象とし、アメリカのオレゴン州で現地の大学校舎を借りて英会話の授業を受け、ホームステイをしながら約3週間過ごすというものでした。第2回、第3回と引率者の一員として参加をしましたが、10代の多感な時期に様々な新しい経験を積むことは非常に意義あるものだと感じました。現在とは異なり、海外で生活するというのは殆どの生徒にとっては初めての経験でしたから、各自強烈な素晴らしい体験として残ったことかと思います。

 実施から2年を経て、英語クラスの生徒には更に内容の充実を図ることとなりました。もっと高度な語学の経験をさせてあげたいということで、日本では夏期休業に当たる時期に平常に授業が行われている地域―ニュージーランドで研修を行うことになったのです。本校独自に様々な交渉を行い、南島にあるOtago Girls’ High Schoolと姉妹校提携を結び、語学研修のプログラムを作り上げてきました。

 Otago Girls’ High Schoolは創立137年の歴史を誇り、ニュージーランド初の女性医師、弁護士、判事を輩出した名門校です。この学校で授業を受けながら、生徒一人が一家庭で別々にホームステイをするという形態で、本校のKiwi-BESTが開始されました。この形態となって既に14年となり、私自身も2回現地に赴きました。

 入学時から英語クラスに所属している生徒たちは、勿論最初からこのKiwi-BESTを強く意識しています。入学後のガイダンスでも、英語クラス3年間の生活の中核として説明していますし、生徒一人ひとり心待ちしながら学校生活を送ります。1年次の夏休みには、以前にお伝えしたEnglish Campが実施されて、ホームステイなどの実生活に即した英会話授業や、Bus Tourを通して『私たちの暮らしている日本とはこんな国』と自分の言葉で伝えられる準備をしていきます。

 実質的に生徒たちがこの研修を意識し始めるのは1年生の秋からです。毎年の学園祭で、その年の夏に研修を済ませたばかりの2年生たちが自分たちの貴重な体験に関してのレポートをまとめて発表を行うことになっています。1年生たちは、この提示内容を確認して、自分たちの研修を思い描いていきます。

 1年生の3月までには進級するクラスも決まって、英語クラスへ進級する生徒たちは各自でパスポートの取得やapplication form(ホストファミリーを決める際の個人情報)の作成を開始します。2年生の4月からは、放課後に週に1回のNative Speakerによる実践英会話、現地で先方の生徒を対象に行う日本文化紹介の準備も始まります。やがて連休明けには、受け入れてくれるホストファミリーが決まり、各自が個人個人で手紙やメールによる連絡を取るようになります。そして7月中旬には、いよいよニュージーランドに向けて出発していくのでした。

つづく

佐藤 泰正(さとう やすまさ)

文京学院大学女子中学高等学校 英語科(英語クラス検討委員)
こんにちは佐藤です。都内の私立女子校で教壇に立って、もう20年以上になりました。学校生活のこと、英語学習のこと、その他、思うところを発信していきます。

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