2007.07.24
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きゃべつアイス  給食(献立)を考える

東京都 栄養教諭 宮鍋 和子

本校は2学期制ですので、7月20日にも終業式がありません。いつもどおりに給食を食べ、5時間目まで授業をして、いつもどおりに下校していきます。なにか、いつもと違う雰囲気をと、給食では「シューアイス」を付けてみました。朝から、「今日のアイス何味?」と何人かの子どもたちが聞いてきます。
「アイス?今日はきゃべつアイスだよ」
「え~!?きゃべつ?」「きゃべつの味がするのぉ?」
「さぁ、どんなアイスかな?お楽しみだね」
「え~?」と首をかしげていく子、思いっきり、がっかりした顔で立ち去っていく子。ちょっと、楽しみをとってしまったかなと反省。

「シュー」とはフランス語で「キャベツ」のこと。「シューアイス」はキャベツのような形の焼き菓子の中にアイスを入れたものです。

給食では、ただ、おいしいとか、喜ばれるとかだけではなく、いろいろなことを伝えられる、考えるきっかけをあたえられる献立を考えています。「シューアイス」もそのひとつでした。

放課後、3個も4個も重たいかばんを持った子どもたちがわざわざ立ち止まり、声をかけてきました。
「シューアイス、最高!」「おいしかったよ」「また、出して!」
「きゃべつアイス、わかった?」「うん、わかった。」「シュークリームも、同じ?」「いいところに気づいたね。シュークリームはキャベツ型の菓子にクリームを入れてあるんだよ」

子どもたちは、すぐに忘れてしまうのかもしれません。実際、中学生に「小学校のとき習ったでしょう!?」と聞いても「え~忘れたぁ」という返事が返ってくることが多々ありました。
それでも、繰り返し、繰り返し、食べ物に興味を持ってもらえるように、食を通していろいろなことに興味を広げられるように働きかけていくことが大切だと考えています。

1ヶ月半の夏休みに入ります。子どもたちはどんな生活を送るのでしょうか?
いろいろなことに興味を持って、感受性を育て、“人”として大きく成長してほしいと思います。


写真1 7月20日の給食  冷やし中華(ごまだれ) ジャンボサモサ(大豆入りでしたが講評でした) シューアイス

写真2 飲み物についての掲示(ジュース中毒になったゴクちゃんへのアドバイスを募集しました。1年生から6年生まで、それぞれいろいろなアイデアを書いてくれました)
DSC02427.jpgDSC02408.jpg

宮鍋 和子(みやなべ かずこ)

東京都 栄養教諭
定時制高校、聾学校(高・専)、中学校と勤務し、2007年春より小学校に勤務することになりました。学校給食を通して、子どもたちと一緒に、成長できたらと思います。

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