2007.05.12
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新聞奨学生の日々(1)

立教大学コミュニティ福祉学部兼任講師/(有)教材ドットコム代表取締役社長 吉田 喜彦

皆さんは、新聞奨学生という制度をご存じでしょうか?

新聞配達をしながら学校に通い、学費は新聞社で支援をする、という制度です。私がお世話になったお店は大学のすぐそばでした。

そのお店では、所長(店長)、事務員さん、パートで折り込みなどを組む方、食事を作ってくれる方、そして「専業さん」と呼ばれる正社員の方達が働いていました。配達区域は各担当ごとに決まっていて、それぞれが朝刊、夕刊を配り、集金や営業などを行います。

その中で、私は朝夕刊の配達と集金を任されていました。月末になると配達時間外でも集金をして、お金を集めます。幸い集金のトラブルは無く、お客様も皆様、きさくで良い方ばかりでした。

私はそのうちのマンションが多い区域を担当していました。

10階建てのマンション。今では高層とは呼べないかもしれませんが、当時はそこからの風景がとても好きでした。夕焼けに映える富士山、降雪後の一面真っ白な町並み、夜になればキレイな夜景、今でも目をつむると当時の風景が思い出されます。

もちろん、勉学との両立とともに、雨風が吹く日や暑さ寒さは辛かったです。また、そこは坂が多い街でしたから、雨の日には新聞をビニールで包装してバイクに積むわけですが、停車のさせ方を工夫しないと、ビニールは滑りやすいですから、積まれた新聞は傾斜によってズルズルと崩れ落ちるのでした・・・。

しかし、庭木や街路樹、日々変わる街並みを見ながら、配達で廻る日々はかけがえのないものでした。

・・・続く

※さて、次回は新聞配達店でのある出来事をご紹介します。私初めて見ましたアレを。

吉田 喜彦(よしだ よしひこ)

立教大学コミュニティ福祉学部兼任講師/(有)教材ドットコム代表取締役社長
情報系専門学校教員から独立し、97年より企業研修や大学、地域での生涯教育など教育活動を展開しています。研修講師ブログにて日々を公開中。

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