2015.07.30
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時間の感覚(sense of time)

静岡福祉大学子ども学部 教員 橘田 重男

 子どもの頃は一日が長い、と感じられた。
大人でも一日は同じ24時間で数量的な違いはないのであるが。
子どもの特性のためか、何も考えずに、時間や効率も考えずに、気の向くままにやりたいことを自由に行動していた。
遊びなどに夢中になれば、時間を忘れて没頭していた。
こういう時は時間が早く感じられたかもしれない。
小椋佳の「シクラメンのかほり」の「疲れを知らない子どものように、時が二人を追い越していく~」の歌詞のように。

 大人になると、やるべき事が増えて、時間の能率や作業効率を考え、することに優先順位をつけながら「時間を使う」ようになった。
やるべき事を「消化していく」感覚が時間を短く感じさせるのかもしれない。
時には前に進まなくても、時間をかけてじっくり考えることも必要な気がする。
能率の点では悪いが、次の段階に進むために必要なことであるように体験的に思うようになってきた。
また、子どもの時のように、「時間を忘れて」夢中になる時も大人だからこそ必要なのかもしれない。

 時代も加速度的に早まっている。
スマートフォンの普及、SNSの日常化、なども日々の時間を早めているような気がする。
情報過多とも思える中で、日々更新される情報に、時には振り回されることもある。
前述したが、ここでも一歩立ち止まって、自分なりに思いを巡らせることも大切に思えてくる。

橘田 重男(きった しげお)

小学校25年、短期大学幼児教育学科5年勤務後、現職。ライフワーク:ユーモアの感覚、シンガーソングライター:ナンジャモンジャ、走歴34年長距離ランナー(現在、壮年ジョッガー)。所属学会:日本笑い学会・日本子ども学会・日本保育学会他。

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