2015.04.30
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

木屋川のオシドリに思う

静岡福祉大学子ども学部 教員 橘田 重男

「木屋川のオシドリに思う」

 キャンパスの北側を流れる木屋川にオシドリの家族が住み着いている。オシドリはガンカモ科の水鳥で、オスの羽の色は鮮やかで美しい。20羽くらいいるので、数家族のグループなのだろう。その様子が5階の研究室からよく見える。オシドリの容姿からも想像できるが、とにかく仲良く過ごしている。朝、出勤時には20羽全部が集まり、会話を楽しむように鳴きながら餌をついばんでいる。日中は夫婦と思える2羽や親子と思える3、4羽でいることもある。中でも緩やかな流れに身を任せて、2、3羽が揃って下流に行き過ぎる姿は微笑ましく、見ている私は癒やされる。夜は国道150号線に架かる木屋川橋のガード下で休んでいるようだ。車の騒音はあるが、安心できる場所なのだろう。

 オシドリは「オシドリ夫婦」という仲の良い夫婦の例えにあるように、おすとめすの仲が良い。並んで泳ぐ姿には私達人間も見習いたい程だ。その寄り添う姿に、本来の夫婦や親子の在り方を考えさせられる思いがする。

 私達人間の家族も日々共に生活する中で、時には気に入らないことや誤解や機嫌の悪いことがあり、喧嘩もする。いろいろあってもそれらを乗り越えて生活を続けている。生活共同体でもあり運命共同体でもある。しかし、残念ながら近年の日本では殺人事件などの凶悪犯罪が毎日のように起きている。それも加害者が、被害者の家族や知人・友人であるというケースが多い。これは異常な事態ではないでしょうか。本来、信頼し合い、協力し合い一番安心できるはずの身内が加害者、被害者となる。改めて、家族や身近な人間関係の在り方を考え直してみたい。

橘田 重男(きった しげお)

小学校25年、短期大学幼児教育学科5年勤務後、現職。ライフワーク:ユーモアの感覚、シンガーソングライター:ナンジャモンジャ、走歴34年長距離ランナー(現在、壮年ジョッガー)。所属学会:日本笑い学会・日本子ども学会・日本保育学会他。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop