2014.12.11
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地域でできること、地域だからできること <人×人が育むものとは>

NPO法人まどり 代表理事 水木 千代美

  

 

 佐竹台探検隊わくわくゲームの開催

 前回は、すべての子どもに参加のチャンスが与えられる行事例と、そこで見えた子どもの力について書きました。今回は、様々な大人が連携することで、子どもも大人も複層的な出会いがあり、繋がることができた行事例をお伝えします。
 
千里ニュータウンは2013年に町びらき50周年を迎えました。その記念行事のひとつとして行われたのが「わくわくゲーム」です。簡単に内容を説明すると、エントリーしたチームが、校区内の7つの公園の様々な競技にチャレンジし、ポイントをもらうというものです。この取り組みは、佐竹台小学校PTA、佐竹台地区青少年対策委員会、それぞれのOB、佐竹台地区防犯協議会、この小学校を卒業した高校生、関西大学のサークルの学生さんを中心に、大阪大学、京都造形芸術大学、千里金蘭大学の学生さん、吹田の企業、とたくさんの方の協力を得て開催しました。ゲームの流れとしては以下です。 
 
1)集合・チーム分け 
チームは学年を縦割りにした男女混合チームです。子どもたちは当日、自分のチームを知ります。
1チーム、5~6名+大学生という構成です。
2)学校の体育館を出発し、指定の時間までに戻ってきます。
集合時間に5分遅れたらマイナス20点、10分遅れたらマイナス50点。
3)校区内の公園に出発してポイントを集める
<ポイントをもらうための方法>
・競技ポイント 
大学生が7つの公園に準備してくれた競技を行ってもらえる。(ひこうき飛ばし、じゃんけん、
的当て、玉入れ、ふうせん、スプーン運び、宝探し、と7つのゲーム)。
・場所ポイント
遠方の公園に行くほど高いポイントがもらえる。
・発見ポイント
渡されたマップに載っている写真の場所(モニュメントや遊具など)を探すともらえる。
・ジャンケンポイント
安全確保のために交差点などに立っている、防犯さんや、本部から大学生の持っている携帯に送信した人
(校長先生など)とジャンケンしたらもらえる。
4)体育館に集合し、採点→表彰
上位チームには、吹田市の企業から賞品を授与。
 
  ※この競技中、トイレに行きたい子どもは、マップに記載してある、トイレを貸してくれる協力者の家の
   トイレが借りれることになっていました。給水ポイントもあり。
 

この行事から得た伝えたいこと

この取り組みを終えて、良かったと思えるポイントをお伝えします。
 
〇ゲームの構成
低学年が参加できるように、ゲームのルールが考えられており、また、子どもたちが、どの公園から攻めるのか、など、子ども自身がゲームを組み立てる余地が残されていた点が良かったと思います。
    
〇チーム編成
当日発表のチーム編成は、学年縦割りの男女混合チーム+大学生。リーダー、副リーダーを小学生の高学年から2人を設定し、大学生はサポートというチーム編成は、結果的によかったと思います。「お友達と一緒がよかった」と思った子どももいたかもしれませんが、全員がバラバラになるためか、問題は起こりませんでした。リーダー、副リーダーという役が与えられたことで、上級生はチームをまとめる意識を持ち、低学年をサポートしていました。また、親ではなく、高校生、大学生によるサポートは、子どもの自主性を損なわず、安全性がサポートされていたと思います。
 
〇大人も参加の仕組
防犯さんや先生など、見守る大人とのジャンケン、という仕掛けは、参加された防犯さんたちに、「楽しかった」と好評でしたし、子どもたちにとっても、自ら大人に声をかけるという経験が出来て良かったと思います。
 
〇賞品は地元企業から
賞品を買う予算がなかったからお願いしたのではなく、いろいろな大人が応援しているんだよ、ということを、子どもたちに伝えたくて企業にお願いしました。子どもたちも知っている企業から賞品をもらえて喜んでいました。
 
 今の時代、異年齢と関わる、大人と関わる経験は、作る努力をしなければ難しいのかもしれません。
それは手間や労力を伴うものかもしれませんが、子どもたちの笑顔やイキイキとした姿はそれをも超えるものを返してくれます。
今、求められる、コミュニケーション力、生きる力と言うものは、こういう場で培われるのではと思いました。
 
【写真の説明(左から)】
・どこから行く?作戦会議中
・紙飛行機の飛距離競争コーナー
・楽しかったね!!!最後の集合写真

水木 千代美(みずき ちよみ)

NPO法人まどり 代表理事
次世代にmよりよい環境を引き継ぐためのNPOを運営しています。地域の皆さんと、「地域で子育て」を日々行っています。"普通のおばちゃん"の活動をお伝えしていきたいと思っています。

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