2014.10.17
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地域でできること、地域だからできること

NPO法人まどり 代表理事 水木 千代美

  

 

 拠点づくり編(1)

自己紹介

 

 はじめまして。水木と申します。環境系のNPO職員、大学職員をしております。教員免許を持っているわけでもなく、資格と言えば建築士と自動車免許という門外漢の私ですが、執筆者の末席に加えていただきました。地域活動を通しての子どもたちとのひとコマをお伝えさせていただきたいと思っています。

 簡単に自己紹介をさせていただきます。出身は宮崎県。大学の時に関西に移り卒業後大阪に就職し今に至ります。高校2年の娘と中学1年の息子がいます。生きていれば中学3年になる次女を生後間もなく病気で亡くしました。この時にたくさんの方に支えていただいたことが、今の私を作ってくれたと思っています。

 

地域活動に関わるきっかけ

 第1回目の投稿は、地域活動の拠点をつくるきっかけとなった話です。場所は大阪府吹田市佐竹台。約50年前、大阪万博の頃に千里ニュータウンとして開発された町です。月日は流れ高齢者の多い町になりましたが、この5年ほどで団地からマンションへの建て替えが進み若い世代も増えてきました。

 私が住んでいるのは佐竹台の隣の町ですが、12年前に小学校の校区変更が行われ、佐竹台にある小学校校区となりました。自治会をまたぐ校区変更は様々な問題が起こり、その問題を一緒に解決していただいたのが連合自治会長をはじめ佐竹台地域の方々でした。その活動をサポートしてくれた当時の小学校校長にPTA本部役員を頼まれたため引き受けることになり、その流れで自治会のお手伝いをすることになります。仕事中心に生きてきた私が地域活動に関わることになったのです。

 

子ども見守りスポット

 付属池田小事件をきっかけに、吹田市内の小学校では「子ども見守りスポット」が作られました。これは吹田市の補助を受けて各小学校地域で設置するもので、警備員さんの常駐場所にもなっています。5年前に当地区の小学校でも作ることになりました。

 予算がないため、設計はPTAのお父さん、施工は地域の工務店さん、材料はNPO活動でつながりのある吉野町の皆さんに協力を得ました。子ども大工さんを募り、大工さんと吉野町の皆さんと一緒に見守りスポットをつくりました。そして、最低限の工事費と材料費をお支払いするために取り組んだのが1口500円の募金です。もう子どもはいないけどこれくらいしかできないからと届けてくださったおばあさん、小学校に通う子どもの人数分をと募金してくれたお母さん、方々に声をかけて集めてくださった老人会の方、そんな善意が集まって、900口45万円にもなりました。

 見守りスポットの名前は子どもたちが考えた「ハピスポ(ハッピースポットの略)」と命名され、吹田市長、吉野町長とともに子ども大工さん全員による、ひのきのかんなくずカットで始まった除幕式には、地域や吉野町の方にたくさん出席していただき、「こんなに出席者の多い時間のかかった除幕式は前代未聞です(笑)」と吹田市秘書課の方に言われる式典となりました。
 

 この時に地域の力を見たことがその後の活動を後押しすることになります。

次回に続く

【写真の説明(左から)】

・子ども大工さんの応募が多かったので、工作コーナーも同時開催
・「ハピスポ」をみんなで作りました
・除幕式はたくさんの人が来てくれました

水木 千代美(みずき ちよみ)

NPO法人まどり 代表理事
次世代にmよりよい環境を引き継ぐためのNPOを運営しています。地域の皆さんと、「地域で子育て」を日々行っています。"普通のおばちゃん"の活動をお伝えしていきたいと思っています。

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