2014.09.28
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言葉からの学び

ほしのむらのがっこう 学校管理者 松浦 博孝

前回の続きから

 前回は、久しぶりに掲載させて頂きありがとうございました。私の教育への道の原点である二度目の大学時代での教育への決意に対する思いを紹介させて頂きました。

 

 12回目になる今回からは、子どもとのであい・つたえあい・つながりあいの中で、初めて大阪に来て出会った子どもたちとの言葉の難しさから言葉の大切さについて考えさせられたお話をご紹介します。

言葉からの学び

大阪の大学に編入学して苦労したのが言葉の違いからくる捉え方の難しさです。

もともと富山県出身ですので、高校を卒業するまで通常、富山弁を話していました。それが1度目の大学で神奈川へ行った時には、周囲は標準語です。それは、多少の言葉の違和感がありましたが、テレビの影響もあり何とかついていきました。

困ったのが、大阪へ来てからです。言葉自体がわからないことが多かったです。関西弁に慣れるのに苦労しました。憧れてはいたのですが、現実は厳しかったです。

夜間大学に編入学をしてから昼間に学童保育関連の指導員をしていました。最初は子どもたちとの会話ですれ違いが多くありました。例えばこんなやり取りがありました。

子どもたちが帰るときにある子が遊んでいたおもちゃを持ってきて私に

「先生。このおもちゃなおして」と言ってきて私は

「どこか壊れたの?」と聞き直すと不思議そうな顔をして指さししながら

「あの上に届かないからなおしてほしい」と言われました。その時、初めて関西の言葉で なおす と言うのは、元のあった場所に戻す意味もあることを知ったのです。

ある日、こんなこともありました。子どもたちとドッジボールをしているときに後から来た子が私に

「よして」と言ってきました。私は意味が分からなかったので

「何だい?」と聞き直すとさらに強い口調で

「よ・し・て!」と言ってきたので何か嫌なことでもあったのかと気になり

「何かやめてほしいことでもあるの?」聞いたら一緒にドッジボールをしていた子らが

「先生。その子、一緒にドッジボールをしたいんだよ。」と言われて、その時、初めて関西の言葉で よして は、一緒にしたいという意味なんだと知りました。

そして一番、慣れるのに困ったのが、「あほ」です。

 

関西では、愛着を込められている部分もあるみたいですが、なかなか慣れませんでした。

最初の頃は、何だか腹が立っていたように思えます。標準語では「バカ」に当たるみたいですが、これも慣れずにいて富山弁でいう「だら」というのがやっぱり身について聞きなれています。あまり使うのも抵抗がありますが、日本だけでも地域によって言葉が違うことを学びました。

いろんな環境に身を置けて言葉の違いを知ることができたことに心から感謝しています。

褒め言葉シャワー

様々な言葉を知ることができて、国語科の方言の授業では、自分が学んだ言葉を活用できて良かったです。同時に言葉に敏感になることができました。

特にマイナス言葉を見逃さないようになりました。子どもたちがマイナス発言をするたびに気づけるようになりました。

逆にプラス発言に対して気づいた時には、褒めることができるようになりました。子どもたちのプラス発言に対する褒める瞬間を掴み、褒め言葉をすぐに返せれるようになりました。

以前、NHKのプロフェッショナルでも取り上げられた菊池省三先生のセミナーに何度か参加させて頂き、菊池省三先生から褒め言葉シャワーを教えて頂きました。ありがとうございました。そこで、自分流にアレンジをして、毎日の終わりの会で、1人の日直さんの1日の働きぶりの良いところを日直以外の学級の仲間が発表する場面を設けました。そこでも言葉の大切さを伝え合うことができると考えています。また普段の言葉の使い方にもつながっていきます。

 

言葉の使い方に関するヒントを頂いた菊池省三先生に心から感謝しております。

松浦 博孝(まつうら ひろたか)

ほしのむらのがっこう 学校管理者


社会人経験を得て「であい・つたえあい・つながりあい」をテーマに子どもとともに学ぶ子どもから学ぶ教育活動を展開。様々な学びの場へ自分から積極的に参加して常に教育者修行を行う。同時に様々な武道修行も行っているサムライ教育者。

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