2014.04.03
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新学期、子供たちに出会う前に・・・

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 「1年が経つのは、早いもの」と感じるようになったのは、いつの頃からでしょうか。

  昨年度、2年半のブランクの後復帰させていただきましたが、本年度も継続いたしますので、よろしくお願いいたします。

 私は、昨年度、部署を異動しましたので、本年度の異動はありませんでした。

 先生方は、異動がありましたでしょうか?3月31日が月曜日でしたので、翌日の火曜日から新しい学校で働いていらっしゃる方もいると思います。

 たった1日で新年度となるわけですが、学校現場にいた時、子供たちに出会う前に私が心がけていた事を少しお話いたします。

 

 異動があった場合 ~始業式で異動先の学校の校歌を歌う~

 今でも自分の小学校の校歌を歌えますが、子供たちにとって校歌は学校生活で繰り返し歌う歌です。

 私は、異動した学校でも始業式に子供たちと一緒に校歌を歌おうと心がけていました。これは、新任の時から続けていたものです。

 子供たちと一緒に校歌を歌うと「今日からこの学校の教師だ」と実感できるから不思議です。

 子供たちの前に立ち元気よく歌っていると、子供たちの中から「新しい先生、何で僕たちの校歌を知ってるのだろう?」という声が聞こえてきます。当時はこの声が耳に届いたら、心の中で小さく「ヤッタ!」と思ったものです。

 

 担任するクラスが変わった場合 ~クラス全員の名前を覚える~

 転勤はなかったけれども、担任する子供たちと別れ、新しいクラスを受け持つ事になった時は、学級開きを行う始業式までにクラス全員の名前を覚えるように心がけていました。

 今は、読み方に注意が必要な名前が多く大変でしょうが、初めて出席をとるときに、間違わずに名前を呼ぶ事が大事です。

 間違われて名前を呼ばれる事の多い子供ほど、ちゃんと呼ばれた時の喜びは大きいものです。「先生、どうして私の名前間違わずに読めたの?」と聞いてきたら、「みんなの事、早く知りたくて、前の担任の先生に教えてもらったんだよ」と答えていました。

 『全員の名前を覚えるなんて、そんなことは、当たり前。』と皆さんおっしゃるかも知れません。教師として、当たり前のことを当たり前に行うことが、大切です。

 教師の仕事は、日々のそんな当たり前の積み重ねだと教師を離れて余計に思います。

 子供たちにも、毎日コツコツやるべき事をしっかりやるということを見本となって、伝えて欲しいなと思います。

 

 持ち上がりの場合 ~教室の掲示を進級の喜びでいっぱいにする~

 持ち上がりの場合も、新学期は気分を新たに子供たちと過ごしたいものです。

 そこで、進級の喜びを子供たちと味わうために、始業式の前日に色とりどりのチョークで黒板に桜や子供たちの顔などを画きました。

 絵を描くのが苦手な方は、カット集などからコピーして黒板に貼るだけでも教室の雰囲気は、ガラッと変わります。

 特に新2年生なんて、新1年生が入学してきたら、お兄さん・お姉さんになるわけですから、進級の喜びはどこの学年にも負けません。黒板の絵にも力が入ります。

 もう既に実施されている方がほとんどだと思いますが・・・

 

 「新学期」という言葉

 私は、「新学期」という言葉にとてもワクワクしてしまいます。何をというわけではないのですが、何故か頑張ろうという気持ちがムクムクわいてきます。

 前にも書きましたが、桜満開の4月になると、心の中で“負けない事 投げ出さない事 逃げ出さない事 信じ抜く事 駄目になりそうな時 それが一番大事”というワンフレーズを歌っています。

 

 きっと子供たちも、『新学期に新しい先生だったら、ちょっと頑張ろう』等「新学期」に期待していると思います。

 持ち上がりの場合も『去年とは違う自分になりたい』と思っている子供たちがいるはずです。

 そんな子供たちの思いに応えてあげられる先生方でいて欲しいと思います。

 私自身の部署にも、4月から新しいメンバーが入りますので、新たな気持ちで取り組みたいと思います。また、本年度は、高校教員の方が1年間研修生として加わります。研修生の声を借りて、学校現場と社会教育現場の違いもお伝えしたいと思います。

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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