2013.10.22
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インターネット依存 ~青少年の喫緊の課題への対応~

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 スマートフォンやパソコンに夢中になるあまり、健康や学業に支障をきたす若者の「インターネット依存」の実態が、8月1日、厚生労働省研究班の調査で明らかになりました。

推計数によれば、ネットへの依存が強いとみられる中高生は、全国で約51万8千人いるとされ、中学生の6.0%、高校生の9.4%が、インターネット依存で「病的使用」に当たる深刻な状態にあるということです。

研究班は「依存が強くなると昼夜を問わずに熱中して睡眠障害が起きたり、生活リズムが不規則になって栄養障害が起きたりする」等の弊害を指摘しました。

 

【ネット依存による健康への主な影響】

・昼夜を問わず熱中することによる睡眠障害

 ・抑うつ症状

 ・不規則な食事による栄養失調

 ・長時間同じ姿勢をとることで血栓ができるエコノミー症候群

 ・ひきこもりがちになり骨量や筋力が低下

 

一方で、2019年度までに児童・生徒1人1台の情報端末による教育を目指すなど、学校でのICT(情報通信技術)の活用を進めており、若者のネット依存への対策は急務となっています。

 

 (独)国立青少年教育振興機構では、青少年の喫緊の課題に対応する事業として「全国青少年相談研究集会」を開催しています。

この事業は、青少年の健全育成や青少年の相談事業に携わる方が一堂に会し、特別講演やシンポジウム、研究協議や相談技術の実習等を通して、指導者としての資質及び専門的な知識・技術を高めるとともに、団体間の連絡協力の促進を図るための集会です。

今年度で、第30回となる、歴史ある事業で、平成26年1月20日~22日の3日間で開催いたします。

対象は、青少年教育行政関係者、青少年教育施設職員、学校教育行政関係者、学校教員、首長部局相談担当者、警察関係者、法務関係者、社会福祉関係者、その他青少年の相談に携わる関係者であり、青少年に関わる様々な方達が行政の垣根を越えて参加してくださっています。

 

今年度のテーマは、「青少年の地域における居場所と絆づくり」ですが、1日目の基調講演は、「わが国のネット依存の実態と治療の実際」と題し、日本で唯一の「ネット依存」専門機関である(独)国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進先生にお話頂く予定です。

また、2日目の分科会は、(1)ネット依存 (2)不登校・引きこもり (3)非行と居場所づくり (4)発達障害~病理抱えた子どもたち~(5)虐待~不適切な養育をうけた子ども達の居場所~ の5分科会を予定しています。

5つの分科会の中から、午前1つ、午後1つを選択して参加することができます。

3日目は、「青少年の地域における居場所と絆づくり」をテーマにシンポジウムを行います。

特に学校現場においては、生徒指導担当の先生方や各学級の児童・生徒の対応に困っていらっしゃる先生・特別支援教育コーデイネーターの方に是非参加頂きたいと思っています。全日程の参加をお待ちしていますが、部分参加も可としております。

http://www.niye.go.jp/services/plan/honbujigyo.html にて開催要項をご覧頂き、お申し込み頂きたいと思います。※ホームページは、10月21日より復旧する予定です。復旧していない場合は、03-6407-7713に連絡をお願いたします。

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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