2013.04.01
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

学級通信は実践記録

ほしのむらのがっこう 学校管理者 松浦 博孝

前回の続きから

 

 今回で第12期最終回の10回目の掲載となります。よろしくお願いいたします。

 前回は、しんどい状況から生まれた出会いと教師塾で学んで得た自分の「教育理念」についてのお話をご紹介させて頂きました。

 今回は、自分なりの「学級通信」のお話をご紹介させて頂きます。私の学級経営には、大切にしていることが大きく5つあります。その中で、もうすでに前回、前々回に「自尊感情」「教育理念」と2つをご紹介させて頂きました。今回は、2つに続く3つ目の「学級通信」について以下に私なりの「学級通信」に対しての思いをご紹介させて頂きます。

 

学級通信の有効性

 

 「学級通信」は教育実践を行う上で様々な有効な点が多くある重要なアイテムであると考えています。私なりの「学級通信」の有効な点を分析したら3点ありました。

 1点目は、「教師と子どものつながり」です。

教師のからの発信で一方的になりがちですが、活用次第では子どもとのやり取りも行えます。学級の様子や子どもの作文や詩、作品や普段の様子の写真などさまざまな形で伝えることができるかと思います。自分のことや作品、写真等が載ったら嬉しい気持ちになります。もちろん最初に許可がいるかと思いますが、子どもたちへの肯定的な評価をする場として有効であり、自尊感情を育める大きな1つの場になると考えています。

 2点目は、「教師と保護者のつながり」です。

子どもの良いところを伝えることが1番ですが、お家の方のメッセージやお手紙を載せることも可能です。過去に支援学級在籍の子のお家の方のお手紙で、学級の皆さんへのメッセージをお伝えしたこともあります。またお家の方に紹介して頂いた本や新聞記事の紹介の場にもなります。NIE教育が注目を浴びていますが、まさしく学級通信と連動させて、新聞記事から保護者の方々とも一緒に考えるきっかけとして活用しています。

 3点目は、「教師と教師のつながり」です。

 自分の作成した学級通信を職場で配布するということです。そうしていく内に職員同士の会話にも出てきます。もちろんその前に職員同士、普段のやり取りがなければいけません。東日本大震災のボランティアに行った時の様子を掲載した学級通信は、意図的に様々なところで配布しました。さらに研究発表等で、他校の先生方にも実践発表の中で配布するということです。個人情報のこともあるので、児童名や児童が特定されるような写真については気をつけなくてはいけません。

 

学級通信は実践記録

 

 学級通信をひと言でいうと「学級通信は実践記録」となるということです。

 この言葉は、私が所属する教育研究会「授業文化を創る会」の設立当初に事務局長をされていた鹿島和夫先生から教えて頂きました。

 鹿島先生は、ご存知の方もおられるかと思いますが、神戸の小学校教師をされている時に「あのねちょう」の実践教育家として脚光を浴びて、主に低学年の実践から子どものありのままの姿をカメラを常に持ち追い続けて撮影した写真と子どもの書いた詩や作文を通して表現していました。著書に「1年1組せんせいあのね」などがあります。ちなみに以前、鹿島先生と研究会でご一緒させて頂いたときに「ダックス先生と40人の子どもたち」の鹿島先生のサイン入りの本をプレゼントで頂きました。今でも大切にしています。

 鹿島先生の実践でも学級通信は有効活用されています。「たまてばこ」というタイトルの学級文集が著書で紹介されています。まさしく学級文集も実践記録となります。

 先日、教育つれづれ日誌に鹿島先生のことを触れさせて頂くのに確認のメールをさせて頂くと鹿島先生は私へのメールの返信の最後で「実践は自分を大事にすることです」と送信して下さりました。鹿島先生には、いつも元気になる言葉がけをして頂き、元気をもらっています。鹿島先生には、心から感謝しています。ありがとうございます。

 

子どもたちと創る授業文化を目指して

 

 今期の日誌では、教育の原点から導き出された自分の「教育観」、さらに自分の教員生活の中で創り上げた「学級経営論」をご紹介させて頂きました。貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。

 もし次回からも連載することができる機会がありましたら、教師として「授業」が専門職としての大切なことですので、子どもたちと創る授業文化を目指して日々の「授業」についてこだわって、子どもたちと一緒に創る学級経営が見える授業づくりについての連載をさせて頂けたらと考えています。また自分の10年間の教育実践の振り返りとして今までの実践をエッセイ風にご紹介できたらと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。

 今は新年度への準備をしています。新しい出会いが待っていると思うとワクワクしています。どんな出会いがあるのでしょうか?楽しみにしながら精一杯の準備をします。

 第12期の連載をさせて頂き、本当にありがとうございました。

 では次の機会まで失礼いたします。 

松浦 博孝(まつうら ひろたか)

ほしのむらのがっこう 学校管理者


社会人経験を得て「であい・つたえあい・つながりあい」をテーマに子どもとともに学ぶ子どもから学ぶ教育活動を展開。様々な学びの場へ自分から積極的に参加して常に教育者修行を行う。同時に様々な武道修行も行っているサムライ教育者。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop