小学校からの影響としか思えないのですが
中学1年生の英語への取り組みは
他学年とは比較にならないほど素晴らしいです。
こと聞き取りに関しては、定期考査の出来に関わらず
得意とする生徒が多いようです。
* * *
そんな彼らに背伸びさせようと
昨年12月、映画鑑賞を実施しました。
せっかくなのでクリスマスの作品にしようと、選んだのは
かつて私が幼少期にはまった
“Miracle of the 34th Street” ― 『34丁目の奇跡』です。
ただこの映画、意外と内容が凝っているんですね。
場面だけ見ても
デパートの上役が戦略を練るシーンから裁判のシーンまである。
更に、これに複雑な人間関係が絡む。
当然、教科書には絶対出てこない単語がふつうに登場する。
そこで
ワークシートで事前に内容、登場人物、だいたいのストーリーを把握したのち
聞き取ってほしい語を学習しました。
いくつかの語については、辞書指導も兼ねてその場で調べさせました。
すると
orderが「注文をとる」という意味だけではなく
裁判でよく使われる「静粛に!」という意味も持ち合わせていることがわかります。
へぇ~
と、生徒一同。
それから、一斉に辞書をひくというのは、競争心を刺激するらしく
「はいはいはい、調べたよ!」
という具合に、要領よく辞書を引けるようにもなるし、授業を活気づける効果もあるようですね。
更に、実際に映画を見ながら、裁判官が”Order!!”と言ってるのを聞いて
ふだん聞いているCDのような音ではないが、聞き取れる、という実感を得られます。
事前指導によって「映画=聞き取りの練習道具」と思ってもらえれば
生徒は興味関心をもって自然と勉強し始めるものだと思います。
* * *
ここで少し辞書について。
辞書が違うと、書いてあることも、掲載方法も違います。
Peter Rabbitと引いて、かわいいウサギの絵が出てきたりこなかったりします。
Big Appleと引いて、「大きなリンゴ」ではなく「ニューヨーク」という意味が定着していることを知ります。
面白かったのは、B&B(Bed & Breakfast)です。
&を記号とし、アルファベットのzの後にくるという扱いをすると
これはBのページの後ろのほうに記載されます。
一方、BandBととらえると、aはアルファベットの最初の文字ですから
Bのページの前のほうに記載されるわけです。
* * *
もう教えないかもしれない生徒たちです。
おすすめ映画一覧くらいは、置いていってあげようと思います。
それには、1本2時間を有しますね(笑

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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