2013.02.07
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映画の前に辞書はいかが

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

小学校からの影響としか思えないのですが

中学1年生の英語への取り組みは

他学年とは比較にならないほど素晴らしいです。

こと聞き取りに関しては、定期考査の出来に関わらず

得意とする生徒が多いようです。

 

*  * *

 

そんな彼らに背伸びさせようと

昨年12月、映画鑑賞を実施しました。

せっかくなのでクリスマスの作品にしようと、選んだのは

かつて私が幼少期にはまった

“Miracle of the 34th Street” ― 『34丁目の奇跡』です。

ただこの映画、意外と内容が凝っているんですね。

場面だけ見ても

デパートの上役が戦略を練るシーンから裁判のシーンまである。

更に、これに複雑な人間関係が絡む。

当然、教科書には絶対出てこない単語がふつうに登場する。

そこで

ワークシートで事前に内容、登場人物、だいたいのストーリーを把握したのち

聞き取ってほしい語を学習しました。

いくつかの語については、辞書指導も兼ねてその場で調べさせました。

すると

orderが「注文をとる」という意味だけではなく

裁判でよく使われる「静粛に!」という意味も持ち合わせていることがわかります。

 

へぇ~

 

と、生徒一同。

それから、一斉に辞書をひくというのは、競争心を刺激するらしく

「はいはいはい、調べたよ!」

という具合に、要領よく辞書を引けるようにもなるし、授業を活気づける効果もあるようですね。

更に、実際に映画を見ながら、裁判官が”Order!!”と言ってるのを聞いて

ふだん聞いているCDのような音ではないが、聞き取れる、という実感を得られます。

事前指導によって「映画=聞き取りの練習道具」と思ってもらえれば

生徒は興味関心をもって自然と勉強し始めるものだと思います。

 

*  * *

 

ここで少し辞書について。

辞書が違うと、書いてあることも、掲載方法も違います。

Peter Rabbitと引いて、かわいいウサギの絵が出てきたりこなかったりします。

Big Appleと引いて、「大きなリンゴ」ではなく「ニューヨーク」という意味が定着していることを知ります。

面白かったのは、B&B(Bed & Breakfast)です。

&を記号とし、アルファベットのzの後にくるという扱いをすると

これはBのページの後ろのほうに記載されます。

一方、BandBととらえると、aはアルファベットの最初の文字ですから

Bのページの前のほうに記載されるわけです。

 

*  * *

 

もう教えないかもしれない生徒たちです。

おすすめ映画一覧くらいは、置いていってあげようと思います。

それには、1本2時間を有しますね(笑

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

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