部活で忙しい生徒たちでも
正月休みくらいはゆっくりする時間があるだろう、と思い、
ある程度のボキャブラリーを有する(はずの)中学3年生に
視聴覚教材を宿題に出していました。
とはいえ、受験生もいますから
課題は1分30秒のインタビューと2時間の映画の選択制。
ちょうど、休み直前にリスニング・テストで取り上げられた
オードリー・ヘップバーンにまつわるものにしました。
* * *
《課題の内容》
(1)1分半のインタビュー
Youtubeより、UNICEF親善大使としてソマリア訪問をした際の記者会見。
鑑賞前)ソマリアの予備知識を読む。
鑑賞中)聞き取りする、内容を文字に起こしたものの穴埋めをするetc.の作業をする。
鑑賞後)記者になったつもりでA. ヘップバーンに質問する。
(2)2時間の映画
『ローマの休日』
鑑賞前)映画、登場人物、ローマ市内の予備知識を読む。
鑑賞中)聞き取りする、名台詞が登場する場面を探すetc.の作業をする。
鑑賞後)映画に登場する観光地の順番を答える。
* * *
ふだんは教科書用、あるいはリスニング用の音ばかり聞いていますから
こうした自然な英語を聞くのは骨の折れることだったと思います。
それでも、ほとんどの生徒が夢中になって取り組んだのだな、と思えるような
精度の高いワークシートに仕上げてきました。素晴らしい!!
これを見ると、英語に興味のある生徒というのは
英語の不得手には無関係だと思えるのです。
もちろん、考査で高得点を取れるようにするとか
英検に受かるようにするとかいうことも大変重要ですが
興味関心の芽を抜かないことは、教員としては最も重要な仕事のひとつに違いない。
そんな当然のことですが
改めてしみじみ感じました。
* * *
今日は今月の英検に向けて、対策をしました。
春からずっと教えている「俺、わかんないよぅ」が口癖のA君(中1)が
今日は先頭の席を陣取って
小さな声で「あ、できた」「できたよ、俺」と呟き、
別の生徒が答えられなかった問題に
「2、2」
などと呟き、採点を終えて
「俺、9点もとれた…」と呟いているのを聞いて
ああ、そうそう、この芽なんだ、と、あったかくなる私でした。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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