2012.11.27
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

持続的な自宅学習 ~部活命編

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

補習の制度化が始まりました。

これまでは、各教員の判断で行なったり行なわなかったりしていましたが

「月曜日は英語の補習がある」

という共通意識があると、生徒も補習を受けるモードになるらしく

「先生、今日の補習はどこの教室でやるんですかっ!」

などと、生徒のほうから言ってきます。

 

 

★ ★ ★

 

 

制度化開始にあたって、英語科は

問題集を個々のペースで進めさせることにしました。

そうすると、大人数でも教員1人で見ることが可能です。

授業形式で受身の姿勢にするのではなく、

一人で自宅学習ができること、を目標としたわけです。

 

補習の最初は、問題の解き方、ノートの書き方を確認しました。

生徒はみんな、学期始めに教わったはずなのですが

定着していない子も多いんですね。

特に、解き直す習慣がありません。

 

 

生徒A「直しました」

わたし「赤ペンで答えが書いてあるじゃない。

    それは答えの『丸写し』。何も身についてない」

生徒B「答えを覚えて書きました」

わたし「それは『丸暗記』。穴埋め問題の暗記って…応用性ゼロ」

生徒C「先生、できました」

わたし「いやいや、答えが違うけど丸がついているでしょ。

    これは『丸投げ』。でたらめしないで」

 

 

しつこくやっていると、そのうち

『こりゃ甘くないぞ』と気付いて、集中し始めます。

同じことを家でもやってくれればいいのです。

というわけで。

 

 

わたし「では、今日はここまで。同じやり方で、2ページ

    家でやってきてください。〆切は木曜日。

    やってこなかったら自分が悪いので

    木曜は部活に行かなくていいです」

生徒ら「ええーっ!」

 

 

部活命の生徒たちは、これでほぼ絶対やってきます。

それでもやってこない生徒とは

問題の「木曜」に1対1で話せば

私にも生徒にも、なにか見えてくるものがあるはずです。

 

例えば、自分を「馬鹿」だと思い込んでいる生徒D。

私の方法は、とにかく『生徒に答えさせる』というものです。

かなり誘導的ではありますが

「"She"の意味は?」

「何人?」

「動詞はどれ?」

「"yesterday"って、いつ?」

「本当に合ってる? 絶対? 間違いない?」

などと質問を続けて、全部生徒に答えさせます。

ポイントは最後の質問です。

「間違いなく答えはアです。なぜなら…」

と自信をもって答えられれば

「ほら、君は馬鹿なんかじゃないよ」

と言ったとき、説得力があります。

 

生徒D「質問には全部答えられた。なんだ、俺、結構やるじゃん」

 

という意識の変化が、勉強を持続する原動力になると思うのです。

 

 

★ ★ ★

 

 

とはいえ、私には大きな課題があります。

部活に行けないというプレッシャーのもとで

無理やり勉強させ、こぼれた生徒に個別指導するには、

部活命、という生徒たちであることが必須条件となるわけです。

結局、私は現在の環境に生かされながら

これだけ動けているのだとしみじみ思います。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop