2012.09.19
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人生は野菜スープです

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

月末の文化祭に向けて、生徒も教員も大忙しです。

私はといえば、中学3年の英語劇の再演と学習発表の準備、

7月のサマー・スクールの展示の準備、

軽音部の練習にも少し関わるようになり、初年度より目が回っています。

3学期になれば、募集活動も本格化するわけで

あと10月の英検の対策と修学旅行への動きも出てきます。

忘れてはいけないのが、今学期は試験的に

補習授業を制度化するということで

誰もが手探り状態でその段取りをしています。

 

生徒も同じくらい忙しいと思います。

中高一貫校ですから、全国大会を終えてもなお部活に出ますし。

そもそも、どの行事も主役は生徒です。

教員は本来、裏方でしかありません。

 

 

* * *

 

 

そんな中、今日は半休だったため、久々に少し早く帰宅しました。

時間があれば、普段よりは凝った料理をする気になります。

日常を振り返る余裕があるとは、なんと有難いことでしょう。

野菜を煮ながら、ふと、中学時代の塾の先生の言葉を

思い出しました。

 

 

* * *

 

 

最後の授業で、ちょっとメッセージをもらおうとした私に

先生は「ちゃんと考えて書きたいから」と言い

後日、手紙を送ってくださいました。

そこにあった言葉が『人生は野菜スープです』

苦かったり甘かったり、すっぱかったりする野菜が煮込まれて

いつかおいしい野菜スープができるように

素敵な人生にしていってほしい、という祈りの言葉でした。

 

グツグツと柔らかくなっていくゴーヤを見ながら

ああ、人生はいろんな味がしないと美味しくはならないんだな、と

思ったのです。

何かに打ち込みながらも

ふっと目線をよそにやって何か新しい発見をすることで

人生はもっと豊かになるんですね。

だから、生徒にそっぽを向かせることが

もしかしたら教員の大事な仕事のひとつなのかもしれません。

 

 

* * *

 

 

30歳になる前に、ある程度多角的になっていなければならない、と

大先輩に言われたことがあります。

時間に追われる生活ながらも

物思いにふけるくらいの余裕を持って

私もそっぽ向かねば、と思いました。

 

 

* * *

 

 

今日は午前中に4時間連続の授業でした。

頭はぼんやり、体はフラフラ。

鞭打って最終授業をしに中3の教室へ入ったところ

何を思ったか生徒A。

 

生徒A「先生、なんで先生は女優にならなかったんですか」

 

これは多分、眉間にしわを寄せている私のご機嫌取りに言ったのです。

からかいにはからかいで答えたい私。

 

 

わたし「そういうA君は、なんでサッカー選手にならなかったの?」

生徒A「僕はまだ若いんです」

生徒ら「若くったってプロはいるんです!」

 

 

すかさずクラス中から反論の嵐。

年齢で言い訳していられるのも今のうちだということは

生徒も薄々わかっているようです。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

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