月末の文化祭に向けて、生徒も教員も大忙しです。
私はといえば、中学3年の英語劇の再演と学習発表の準備、
7月のサマー・スクールの展示の準備、
軽音部の練習にも少し関わるようになり、初年度より目が回っています。
3学期になれば、募集活動も本格化するわけで
あと10月の英検の対策と修学旅行への動きも出てきます。
忘れてはいけないのが、今学期は試験的に
補習授業を制度化するということで
誰もが手探り状態でその段取りをしています。
生徒も同じくらい忙しいと思います。
中高一貫校ですから、全国大会を終えてもなお部活に出ますし。
そもそも、どの行事も主役は生徒です。
教員は本来、裏方でしかありません。
* * *
そんな中、今日は半休だったため、久々に少し早く帰宅しました。
時間があれば、普段よりは凝った料理をする気になります。
日常を振り返る余裕があるとは、なんと有難いことでしょう。
野菜を煮ながら、ふと、中学時代の塾の先生の言葉を
思い出しました。
* * *
最後の授業で、ちょっとメッセージをもらおうとした私に
先生は「ちゃんと考えて書きたいから」と言い
後日、手紙を送ってくださいました。
そこにあった言葉が『人生は野菜スープです』
苦かったり甘かったり、すっぱかったりする野菜が煮込まれて
いつかおいしい野菜スープができるように
素敵な人生にしていってほしい、という祈りの言葉でした。
グツグツと柔らかくなっていくゴーヤを見ながら
ああ、人生はいろんな味がしないと美味しくはならないんだな、と
思ったのです。
何かに打ち込みながらも
ふっと目線をよそにやって何か新しい発見をすることで
人生はもっと豊かになるんですね。
だから、生徒にそっぽを向かせることが
もしかしたら教員の大事な仕事のひとつなのかもしれません。
* * *
30歳になる前に、ある程度多角的になっていなければならない、と
大先輩に言われたことがあります。
時間に追われる生活ながらも
物思いにふけるくらいの余裕を持って
私もそっぽ向かねば、と思いました。
* * *
今日は午前中に4時間連続の授業でした。
頭はぼんやり、体はフラフラ。
鞭打って最終授業をしに中3の教室へ入ったところ
何を思ったか生徒A。
生徒A「先生、なんで先生は女優にならなかったんですか」
これは多分、眉間にしわを寄せている私のご機嫌取りに言ったのです。
からかいにはからかいで答えたい私。
わたし「そういうA君は、なんでサッカー選手にならなかったの?」
生徒A「僕はまだ若いんです」
生徒ら「若くったってプロはいるんです!」
すかさずクラス中から反論の嵐。
年齢で言い訳していられるのも今のうちだということは
生徒も薄々わかっているようです。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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