「英語フェスティバル終わった~!」
どしんと腰を下ろし、
気づけば成田発の飛行機内。
はい。
昨年度に引き続き
サマースクールの引率に行ってきました。
アイルランドに約2週間、スペイン周遊4日間です。
昨年度の周遊旅行は、3カ国をはしごしたので
今回はさほど大変ではなかろう、と思っていました。
が、
移動時間は長く、引率が少ないのに仕事量は変わりません。
やっぱり今年も苦しかったのでした。
* * *
引率2回目では
仕事振りは未熟でも求められるレベルは上がってきます。
それに、実際
1回目の引率よりは動けて当たり前です。
最初の問題は
アイルランド1週間目、生徒のホームステイ先とのやり取りでした。
特に今回は、ステイ先がダブリンの市街地で
たいていの家族が複数の外国人生徒をステイさせており
学校への送り迎えをしてもらえませんでした。
生徒は初日から、自力でバスに乗らねばならなかったのです。
しかし、バスの路線やシステムが複雑で、迷子が連日発生。
私は、夜中のハイウェイをファミリーと爆走したり
パニック状態の生徒の電話を受けたりと
冷や冷やものでした。
* * *
2週間目、ドミトリー生活が開始すると
生徒にも「慣れ」が出てきます。
今回のサマースクール先は、本校のみが日本人グループ。
その他、スペイン、イタリア、ロシア、フランスなどから
複数のグループが参加していました。
比率が高いのはスペイン、イタリア。
つまり、スクールの雰囲気は
スパニッシュとイタリアーノの
ハイ・テンションで染まっているのです。
この雰囲気の中で生活するうちに
「外国文化=自由奔放」と
大雑把に捕らえた生徒もいました。
自国の乗りを忘れられない生徒、その乗りに染まった生徒は
市街遠足で公共のバスを降りたあと
地元住民がしーんとした車内で
異国の子供たちの背中を眺めていたことに
全然気づかなかったことでしょう。
* * *
自分に見える世界から
ふっと距離を置いてみると
異文化は全く別の顔を見せます。
観光地ダブリン、美しい市街地。
そこに違和感を覚え、陰を探すことができるでしょうか。
* * *
今回残念だったのは、遠足中に
スタッフからほとんど説明がなかったことです。
北アイルランドのベルファストなど
英国との戦争の歴史があるにも関わらず
ショッピングで終わる始末。
せめてなにか、引っ掛かりくらい与えてくれてもいいのでは
と、不満が残りました。
引っ掛かりを解消するか否かだけは
生徒に託せばいいのではないでしょうか。
サマースクールは旅行ではないのですから。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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