2012.08.08
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燃え尽き症候群 - 2nd Edition

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

「英語フェスティバル終わった~!」

どしんと腰を下ろし、

気づけば成田発の飛行機内。

 

はい。

昨年度に引き続き

サマースクールの引率に行ってきました。

アイルランドに約2週間、スペイン周遊4日間です。

昨年度の周遊旅行は、3カ国をはしごしたので

今回はさほど大変ではなかろう、と思っていました。

が、

移動時間は長く、引率が少ないのに仕事量は変わりません。

やっぱり今年も苦しかったのでした。

 

 

* * *

 

 

引率2回目では

仕事振りは未熟でも求められるレベルは上がってきます。

それに、実際

1回目の引率よりは動けて当たり前です。

最初の問題は

アイルランド1週間目、生徒のホームステイ先とのやり取りでした。

特に今回は、ステイ先がダブリンの市街地で

たいていの家族が複数の外国人生徒をステイさせており

学校への送り迎えをしてもらえませんでした。

生徒は初日から、自力でバスに乗らねばならなかったのです。

しかし、バスの路線やシステムが複雑で、迷子が連日発生。

私は、夜中のハイウェイをファミリーと爆走したり

パニック状態の生徒の電話を受けたりと

冷や冷やものでした。

 

 

* * *

 

 

2週間目、ドミトリー生活が開始すると

生徒にも「慣れ」が出てきます。

 

今回のサマースクール先は、本校のみが日本人グループ。

その他、スペイン、イタリア、ロシア、フランスなどから

複数のグループが参加していました。

比率が高いのはスペイン、イタリア。

つまり、スクールの雰囲気は

スパニッシュとイタリアーノの

ハイ・テンションで染まっているのです。

この雰囲気の中で生活するうちに

「外国文化=自由奔放」と

大雑把に捕らえた生徒もいました。

 

自国の乗りを忘れられない生徒、その乗りに染まった生徒は

市街遠足で公共のバスを降りたあと

地元住民がしーんとした車内で

異国の子供たちの背中を眺めていたことに

全然気づかなかったことでしょう。

 

 

* * *

 

 

自分に見える世界から

ふっと距離を置いてみると

異文化は全く別の顔を見せます。

観光地ダブリン、美しい市街地。

そこに違和感を覚え、陰を探すことができるでしょうか。

 

* * *

 

今回残念だったのは、遠足中に

スタッフからほとんど説明がなかったことです。

北アイルランドのベルファストなど

英国との戦争の歴史があるにも関わらず

ショッピングで終わる始末。

せめてなにか、引っ掛かりくらい与えてくれてもいいのでは

と、不満が残りました。

引っ掛かりを解消するか否かだけは

生徒に託せばいいのではないでしょうか。

サマースクールは旅行ではないのですから。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

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