「モチベーションは
自分の中にないと結局ダメなのよ」
先日、学生時代の仲間と会ったとき
そんな言葉から教育について
話が発展しました。
★ ★ ★
私の周りでは
学校行事、例えば英語劇や合唱祭で
「見に来てくれた保護者のために一生懸命演じなさい」だとか
「友達のために精一杯歌いなさい」という表現が時々出てきます。
私自身、今回の『まなび』への掲載記事について考えていたとき
「試しにひとつレールをひいてみる。
そうすれば生徒は、物事の進め方をひとつ学んだことになる。
どんな方法を選ぶかは、高校か大学になったときにできればいい」
という話をしようかと思っていました。
★ ★ ★
けれど、連日終電で帰宅しているOLに言わせると
「それではモチベーション維持ができない」のだそうです。
理由のひとつに、その不安定感があります。
誰かのために何かをすることは、裏切りの可能性を含みます。
一方、自分の中に強い信念があれば
誰に何を言われようと
自分の判断で妥協し、満足することができます。
目標設定の高い人なら、こういう気持ちの持ちようでも
結果を出すことができるのかもしれません。
理由の二つ目は、主体性の欠落にあります。
結局、人になにかを言われてしているうちは半人前であり
立派な大人へと育てていくような教育は
生徒の前にレールなど用意していないのだ、というのが友人の主張でした。
★ ★ ★
ただなぁ、と私。
中学生をどこまでほったらかしにしたものか。
というわけで、現在企んでいるのは
『徐々に』生徒と自分を離していくこと
『時々』放置してみることです。
知らぬ間に、英語劇で少し実践していましたので
書き留めておきます。
初めは、発音が下手でも聞き流しておきました。
考査終了とともに、暗記にのみ専念させました。
一度、徹底的に発音練習してから
登場と退場のタイミングを組み合わせ
やがて演技指導へ・・・という流れで
段階的にステップ・アップしてみたのです。
それで、今回の私の最大の企みへ―「生徒自身に演技指導をさせる」。
全員で劇の通し練習を見て、意見交換をするところから始めました。
「もっとこんなふうに演技したらいい」
「もっと声をはっきりとして・・・」
「もっと楽しそうに・・・」など
夢中になって練習している生徒たちからは、いろんな声がどんどん出てきました。
次に、これらを踏まえてグループ練習させました。
「こう動いたほうが格好いいよ」
「こういう立ち位置のほうが演技しやすい」
観客の視線を意識しながら、自分たちで少しずつ改善していきました。
★ ★ ★
ある程度レールを用意して、頃合いを見て放ってみる。
次回、修学旅行でも実践したいと思います。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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