現在の学校にやってきたのは昨年度。
ちょうど今頃、年齢としては1年上先輩から
「2年目からはベテランですよ」
と言われました。
なにかの冗談かと思っていましたが
実際、英検の事前指導にしろ運動会の記録係の準備にしろ
自分の作業が遅くていろいろ滞ってしまうという事態が
次々と起こってきています。
一人でこなせる仕事量ではとうていありません。
教員全員が同じレベルで仕事をするのは困難です。
得意不得手がありますし、キャパシティの問題がありますし
情熱を注ぐポイントも違うからです。
が、やるしか道はありません。
☆ ☆ ☆
私が立ちあがれなくなるのは
きっと生徒に完全に背を向けられて
「この先生に相談しても仕方ないよ」
となってしまったときなのだと思います。
生徒に嫌われるなら、まだ関心があるうちです。
いてもいなくてもどうでもいいような存在になったとき
教員として終わってしまうのだと、最近よく思うのです。
ベテランというのは、仕事がどこまでできるかだけでなく
ゆるぎない個性を持っているか否かも関係するのでは
と考えているのです。
「あの先生ならきっと……」という期待を持てるような教員であること―。
これが、最近の私の目標です。
☆ ☆ ☆
部活がさかんな学校ではありますから
大会前のいま、顧問の先生に無理を言って
英検の事前指導をしています。
その隙間を縫うように、運動会に向けた係会議や委員会の動きがあります。
倒れそうになるくらい忙しいというのに
私が今回担当している英検受験者たちは
課題を毎日すべてやってきます。講義への取り組みもいいです。
その根底には、今学期始まってからの学年の先生方からの学習指導と
生徒たちが長らく抱いてきた
「ちゃんと学びたい」
という思いがあります。
その生徒たちが今
「先生、この問題教えて」「勉強の仕方、教えて」と言って
近づいてくることは
ひとつの反応なのだと思うのです。
☆ ☆ ☆
私も倒れそうです。ふらふらです。
ここへきて日曜日に学校説明会などあると、体力的に持ちません。
それでも、生徒にフォーカスするというポイントを外すわけにはいきません。
それがひとつの、私の「個性」だからです。
それに、生徒は見えないところも見ているものです。
こちらの思いを敏感に察します。
そして思いが見えないと
ぷいっとそっぽを向きます。
☆ ☆ ☆
体育の先生が中心となる運動会練習。
とはいえ、担任も学年付きもふつうサポートに回るので
普段通りに授業のある日よりも拘束時間は増えます。
並行してやらなければならないことも山積みです。
正直、ちょっといなくても大丈夫では、と思っていましたが
本日、担任の先生の代わりに昼食指導をしていたときのことです。
生徒A「先生はいいよねー。いつもウンレン(運動会練習の略)見てくれるから」
油断することなかれ。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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