2012.04.04
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キリンさんですか、ゾウさんですか。

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

新しい年度となりました。

が、昨年度からひき続き取り組んでいることがあります。

春休みを前に灼熱のやり取りをしたのは

顧問をしている文芸同好会の生徒たちです。

会員4名、うち新高3が2名とあれば

来る新入生歓迎会で何としてでも新入生をGETせねば。

そのためには、よし、新歓用の冊子を作ろう。

というわけで、自宅でのんびりするのもそこそこに

PCに送られてくる生徒たちの原稿をチェックしては

メールで送り返しています。

 

 

* * *

 

 

私は高校時代に

やはり文芸『同好会』に所属していたのですが

印刷前に顧問に目を通してもらったり意見をもらったりはせず

自分たちでそれなりに推敲を重ねていました。

そのせいか、製本作業が終わったときには

言いようのない達成感を抱いたものです。

 

 

* * *

 

 

作品というのは、いわば粘土の塊で

こねくり回しながら原型が見えてきて

印刷3日前にもなればゾウのような形だとわかりますが

どんな耳の形をしていて、どんなふうに鼻を動かしているのかはまだ不鮮明です。

個性が出来上がっていないのです。

だから、印刷前の作品に他人が口出しするのは解せない、と思っていました。

 

 

* * *

 

 

ところでうちの文芸メンバーには

自力で完成度を高めることがなかなか難しいらしいのです。

長々と物語を綴れる生徒は多いのですが

制限された字数のなかで、言葉を取捨選択して整えていくことが始められない。

そして、論評会で発表した作品について

「時間がなかった」「ここは、どう展開するか迷っていた」と

言い訳は出てきますが、主義主張はない。

生き物のような形をした粘土で、細長い部分があるが

それが首なのか鼻なのかまだよくわからない、といった具合です。

 

 

* * *

 

 

個性は尊重するものではなく『作っていくもの』だと言います。

それなら教員の立場からもっと口出ししても良いかなと

カタカタ意見を述べては返信してみることにしたのです。

文芸同好会を名乗るなら

恋愛小説や冒険小説の中に『自分らしさ』を書けるようにして

来年の今頃、送り出したいです。 

 

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

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