英語科の資料室では
教科書や問題集のサンプルが山になっています。
その間に
ペラリと一枚紙がはさまっていました。
何の気なしに眺めてみると
まったく同じ文章を使って
穴埋め問題にしたり
穴埋め部分をさらに増やして問題にしたりしながら
徐々に難度を上げていました。
「そうか、同じ文でいいんだ!」
* * *
早速、中学3年生用にプリントを作ってみました。
教科書に載っている基本文4つをもとに
選択問題
↓
穴埋め1つの問題(日本文付き)
↓
並びかえ問題(日本文付き)
↓
穴埋め2つの問題(日本文付き)
↓
並びかえ問題(日本文なし)
↓
英作文(ヒントあり)
↓
英作文(ヒントなし)……などなど。
簡単すぎかもしれませんが、もしかしたら
底上げのためには効果的かもしれません。
最終的に英作文ができれば
自信にもつながります。
うまく働きかけられると良いのですが。
* * *
「段階を踏むことさえ守っていれば
『できないよぉ』が減るかもしれない……」
というわけで、本日の授業では
AさんとBさんの対話を丸暗記させてみました。
初めに、いつも通りの練習。
「あとで、皆の前で発音してもらうからね!」
とプレッシャーをかけてから。
わたし「Repeat after me!」
教科書を見ながら、教員の後につづけて発音。
↓
わたし「Look up and down!」
教科書を見て、見ないでを繰り返しながら、教員の後につづけて発音。
↓
わたし「はーい。ではここでペアになりましょう。
じゃんけんをして、Aさん役かBさん役かを決めます。
ただし、英語で」
みんな「えー!」
↓
みんな「Stone Paper Scissors!」
じゃんけんぽん! と、ちょっと遊んでみる。
↓
わたし「Aさん役の人は教科書を見て、Bさん役は見ないで!」
口ごもったらAさん役がヒントをあげる。
↓
わたし「Bさん役の人は教科書を見て、Aさん役は見ないで!」
口ごもったらBさん役がヒントをあげる。
↓
わたし「Aさん役もBさん役も、教科書を見ないで!」
たいてい、どちらかが内容を覚えている。
または
他のペアの会話がヒントとなるので
最後まで発音できる。
↓
わたし「はーい、ではここで代表者、○○、○○、stand up!
教科書を見ないで対話してみましょう。
他の人は、2人が困っていたらヒントを出してあげましょう」
こうして、それなりに「対話」が完成しました。
意外だったのは、どの生徒をあてても
ひと通りのやり取りをこなせたことです。
この出来栄えはひとえに
生徒たちが短時間に集中して練習したためのような気がします。
* * *
段階を踏めば、そして手助けがあれば、生徒は
「なんだ、できるじゃん。じゃあ次もいけるかな」と思えます。
それから
今回、アクティビティーが中だるみせずに形になったのは
それぞれの生徒に
うまく役割を与えられたからかもしれません。
人前で話す側にはプレッシャーがかかります。
それを聞く側には、ヒントを出すという優越感にひたりながら
二人の対話に自然と耳をかたむける必然性がでてきます。
聞かれているとなれば、話す側は間違えないように発音します。
相乗効果です。
* * *
非常勤2年と、今年1年―。
ベテラン先生にはド基礎のようなことを、私は今更学んだわけです。
明日もなにか学べたら、と思います。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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