2011.12.30
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

「よいお年を」返し

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

前任校で非常勤として2年間過ごしたせいか

いまだに

勉強以外の面で「教えること」がぱっとできません。

 

* * *

 

例えば職員室で

生徒A「 ○○先生、いませんか」

わたし「今はいらっしゃらないよ」

生徒A「ありがとうございます」

 

これは普通のやり取りだと思います。

無言でうなずくとか

ましてノーリアクションでドアを閉めるというのは

やはりおかしい。

世間で通用しないことは

少しずつ正していかないといけない。

というのは、特に私の勤務先の生徒は

高校3年になると指定校推薦やらAO入試やらで

面接をする可能性が高いのです。

受験直前になって話し方の指導を1から10までするよりは

中学の段階から

「その話し方だと通用しないよ」

と言っておいたほうが

実は教員側にとってもすごく楽なわけです。

話し方の他にも

書類の書き方や提出期限を厳守する癖も

日頃から少し厳しく教えておいたほうが良い。

これらの指導が

ひいては生徒の自主性につながるのでは、と期待しながら。

 

* * *

 

終業式が終わり、

後始末などあわただしくしていると

「先生」と

高校の教え子がやってきました。

成績が心配でやってきた、とのこと。

実は私もこの生徒のことを心配していました。奇遇です。

 

少し話をしてから

では、忙しいのでこのあたりで、と言って

「あ、ちょっと」

と、生徒を呼び止めました。

振り返った生徒の、あの、不安げな顔ったら!

でも、呼び止めたのは

課題を出すとか、更にお説教をするためではありません。

 

「よいお年を」

 

ふっと笑って、彼は

「よいお年を」と返してきました。

 

中学の生徒たちも

あと1、2年したときに

せめて普通の受け答えができますように。

 

* * *

 

それでは皆様、よいお年を。

 

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop