2012.01.22
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中学校の技術の授業で建築家がサポートします。

建築家(グローバルアーティスティック代表) 岩崎 亮平

  

思わぬきっかけから中学校の技術の授業に建築家として参加することになりました。滋賀県の自然豊な地域にある中学校ですが、担当の先生が数年前からブリッジコンテストと銘打って、木を使った橋の模型作りを行っています。

材料は、断面3mm程度、長さ1,000mm程度の材料を使い、各グループで構造的に強い橋を作り、最終的に中央に重しを置き、強度を競うというものでした。

 

今年からは、橋だけでなく、簡単な家の模型も合わせて制作し、デザインと強度を競うというものです。ただし重しを載せて倒壊させることはしません。

9月の月曜日から水曜日の午前中の授業の中で、1年生6クラスが制作に励んでいますが、この11月には全クラスが完成しました。

 

私は、毎週このうちの2クラスの授業に参加し、グループを回りながら、建築的なアドバイスや制作する上での工夫などをアドバイスしています。

担当の先生は、制作の前にパワーポイントなどを使い、デザイン、強度についてのレクチャーを行っていますので、私のアドバイスも彼らにはスムーズに理解できるようです。

 

基本的に1グループは男女2人ずつで、その中でまた2つに別れて橋と家を作ります。

橋のデザインの中で円弧がありますが、少しずつ曲げていくのは難しく、折ってしまうグループも多かったです。家に関しては、内部階段、玄関、あるいは装飾的な物、犬小屋、空中ブランコまでありました。

即効性ボンドを使い乾くまで手で支えるのですが、みんな苦労していました。特に決まりごとがなかったので個性豊な作品ができあがり、またトラスを組み込んだ橋も多く、構造的な強さは感覚的に理解していたようです。

いつも思うことですが、こどもたちのデザインの発想など、大人が考えつかないものが多くあり、私も参考にしたり勉強させられています。

 

中学校の技術でこのような建築的、土木的な取り組みはめずらしいと思いますが、彼らにとって能力的にはまったく問題ありませんし、今後このような授業も増えていくのではないでしょうか。私のような外部の人間が参加することも有意義だと考えます。

12月には総括としまして、1年生全員にやさしい建築の授業、体験を体育館でおこないました。このような機会を与えて頂いた技術の先生、学校関係者のみなさんに感謝いたします。

岩崎 亮平(いわさき りょうへい)

建築家(グローバルアーティスティック代表)
建築設計の仕事が本業ですが、「こども建築ワークショップ」を主宰し、学校へ出前授業を行っています。子どもに関わること全てが私のライフワークです。子どもは人類の宝者ですから。

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