2011.09.23
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塊を焦点にする

駿台学園 英語科常勤講師 四ツ分 祥子

「見渡せ」

前の勤務地で

職場の先輩が大切にしていた言葉です。

生徒全員が、授業を聞いていないように思えても

こちらを向いている一人のために

授業を続けろ、という

自分への励ましの言葉です。

実際には

教室中を見渡して、その「一人」に向かって授業をしても

根本的な解決にはなりません。

ただ、教員にとって

焦点を合わせられる生徒がいれば

授業がしやすくなることは事実です。

 

★ ★ ★

 

同じことが生徒にも言えます。

わかりやすい目標を一つ設定すれば

生徒も勉強しやすくなるわけです。

この目標設定について、あれやこれやと考えたあげく

最近になって

これは一番わかりやすい!

と思った看板は「英検合格」でした。

 

★ ★ ★

 

来月に行われる今年度第二回目の試験にむけて

そろそろ対策が始まります。

放課後に対策を実施しようにも

文化祭で再演する英語劇の練習や委員会活動、

教員会議などがない日となると

かなり限定されてきます。

生徒それぞれにも塾やら何やらがあります。

それでも、どうにか都合をつけて付いてきてくれる生徒がいます。

それも一人や二人ではなく

英検合格を目指す一つの塊でやってきます。

しかも、塊になった彼らは、私にとっては一つの大きな焦点なので

私にとってもとても教えやすくなります。

 

★ ★ ★

 

英検合格なんて、ベタな目標ではありますが

「受験」と「合格」とでは、大きな違いです。

というのは

受験を目指す生徒にとっては

過去問を解いたときに正答したことが関心事ですが

合格を目指す生徒には

解いた後の「間違い潰し」が大切になるからです。

間違いから得られるものがあるとわかれば

生徒はどんなに×をくらっても

心折れることなく取り組んでくれます。

 

★ ★ ★

 

一度動き出せば、生徒は一人でも意欲的に勉強していけます。

結局、生徒のやる気に勝る武器はありません。

私は私で

焦点となる生徒を、個ではなく一つの「塊」に保ちながら

生徒たちの心をぐっとこちらに向け続けたいものです。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)

駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。

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