2011.08.15
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JICA遠隔授業

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭 梅田 昌二

  
青年海外協力隊活動レポート

 2005年5月18日にJICAの国際協力推進員の大供史郎さんからボツワナについての遠隔授業をしていただきました。参加したのは前任校の南花台東小学校6年生で、大供さんは2年間アフリカのボツワナで青年海外協力隊員としてコンピュータなどの技術支援をされていました。そこで経験した様々な事柄を子どもたちに教えていただきました。遠隔授業の配信場所は大阪府国際交流財団です。JICAでは国際理解教育を推進するために、さまざまな取組を行われていますがテレビ会議を利用した遠隔授業プログラムはこれが初めてでした。授業ではボツワナの写真や楽しいクイズを用意していただき、子どもたちはとても楽しく授業を受けることができました。ボツワナでの人々の生活は日本ほど豊かなものではありませんが、人々の優しさや懸命に生きている姿がよくわかる内容でした。授業終了後、自分も将来、青年海外協力隊員になってみたいと考える児童もいました。この授業には、河内長野市内の小学校4校「石仏小学校」「天野小学校」「高向小学校」「南花台東小学校」と千葉県の高根台第3小学校が参加しました。 参加されたすべての学校が教科書や本では学べない貴重な体験談に、とてもいい勉強になりましたとアンケートに答えていただきました。日本がこのような開発途上にある国々への技術支援や資金援助を行っていることはあまり認識されていません。日本の国際貢献を学ぶことは日本人としての誇りと自覚を育てる意味でも大切な授業になると感じました。

 そこで、私が主任として運営にかかわっている河内長野市立教育メディアセンターで、このJICAの青年海外協力隊の体験談を遠隔授業として継続的に配信する授業プログラムを開発しました。この2005年には、7月にタンザニア10月にはニジェールとブラジル12月にはガーナと続け、国際理解教育の遠隔授業として内容充実に努力しました。その後、参加する学校も増えてきました。今年でこの取り組みは7年目を迎えます。この間、JICAの多くの国際協力推進員の方々や大阪府国際交流財団の職員の方々の多大なご支援・ご協力をいただきました。おかげさまで、この7月にはJICA遠隔授業の実施回数は50回を超えました。参加していただいた学校ものべ数で100校を超えました。

 今、日本の子供たちは恵まれた生活環境の中で、甘えとわがままに慣れ切っています。厳しい環境の中でたくましく生きている開発途上国の子供たちから学ぶことは多いと思います。特に急激な社会変化や困難な生活に負けない大切な「生きる力」を学習するためには、とても良い教材になると考えています。その意味で、このJICA遠隔授業を今後も継続発展させたいと思います。これを残された私の短い教員生活での大きな仕事の一つとして頑張る決意です。

梅田 昌二(うめだ しょうじ)

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭
10年前の2001年1月に韓国交流校を訪問、その先進性に驚嘆。以後、学校の情報化と国際化に微力ながらも悪戦苦闘の日々を継続中。

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