2011.08.01
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日韓歴史協同学習

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭 梅田 昌二

    

 平成18年10月13日(金)韓国の銅雀中学校の社会科担当教諭、朴鍾善先生に「日韓歴史協同学習」のテーマで遠隔授業をソウルからしていただきました。これは、私が韓国の交流校を訪問した際、西大門(ソデム)刑務所を見学したときに計画したプログラムです。西大門刑務所は戦前、日本の統治下のソウルにあった刑務所で、現在は歴史博物館のようなものになっています。ここでは朝鮮独立運動などの活動家に対して厳しい取り締まりが行われた資料などが展示してありました。日韓両国にとって、とても不幸な時代です。正直、日本人としては暗い気持ちになるところです。しかし、避けて通ることはできません。過去の事実は事実として正しく認識する必要があると思います。そこから新しい友好の時代を創造することができると思います。そんな思いでこの日韓歴史協同学習を行いました。

 折りしもこの頃、日本の安部元総理大臣が韓国を訪問されていました。日韓の首脳がソウルで会談された様子を授業でも紹介していただきました。ありがたいことにこのような関係改善のムードが高まる中での遠隔授業でした。授業では、朴鍾善先生からも不幸な関係の時代から、平和友好へのための関係を築くことが大切とのお話をしていただきました。両国が未来志向の関係で友好を深めるために、これからもお互いの歴史教育について認識を深め合いたいと思います。この授業には私の勤務校であった南花台東小学校の6年生と千葉県船橋市立高根台第3小学校が参加しました。通訳には韓国奈良教育院の、李俊衡院長先生に務めていただきました。本当にありがとうございました。情報によりますと昨年2010年には、この西大門刑務所の改修が行われ凄惨な拷問描写などを減らし、日本側への配慮がされたとのことです。またもう一度行ってみたいと思います。

 またこの授業のひと月後の11月29日(水)には韓国交流校、韓信初等学校の校長先生であった申東奎先生から遠隔授業をしていただきました。申先生は退職後もボーイスカウトなどの青少年の指導にかかわられ、元気に活躍されています。この時の遠隔授業のテーマは「日韓友好、対話の架け橋」として、対話の大切さを語っていただきました。また魚のたとえ話から人生を前向きに生きる事の大切さも教えていただきました。この授業に参加したのは、河内長野市立加賀田小学校6年生と南花台東小学校6年生、そして和泉市立光明台南小学校の3校でした。このような韓国とつないだ遠隔授業は現在も続いており、昨年2010年は10月27日に行いました。今年もまた11月に予定しています。今後も日韓で協同学習を定期的に取り組み、よりよい未来志向の関係を子どもたちの心の中に築いていきたいと考えています。

梅田 昌二(うめだ しょうじ)

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭
10年前の2001年1月に韓国交流校を訪問、その先進性に驚嘆。以後、学校の情報化と国際化に微力ながらも悪戦苦闘の日々を継続中。

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