2011.07.04
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

世界と繋ぐ遠隔授業

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭 梅田 昌二

    

アメリカの博物館からの遠隔授業
 2004年2月26日アメリカのミルウォーキにある博物館と繋いだ遠隔授業が行われた。参加したのは河内長野市内の南花台東小学校・楠小学校・石仏小学校の3校。授業内容はネイティブアメリカンについてである。さまざまな資料を提示いただきながら、興味深いお話を聞かせていただいた。私が子どもの頃によく見た西部劇で登場するインディアンは古い歴史を持ち、日本とも深い関係があることを教えていただいた。英語での授業だったので通訳を入れての授業になった。そのため時間は通常授業の2倍以上が必要になった。しかし、国際化の流れの中で、外国語での情報のやり取りの仕方について、子どもにとって貴重な学習になった。自分の発言は絶えず通訳を意識して短いセンテンスにする。言葉だけでなく、身振り手振りでのコミュニケーションをするなど。課題であるグローパールコミュニケーションの力を育てるためにも、このプログラムは意味があった。この日、行われた遠隔授業は日本の朝、アメリカの夕刻にスタートした。正直、このような遠隔授業を無料で、アメリカ国内だけでなく、世界に向けて発信されていことに驚いた。日本で同じように国内や海外向けの遠隔授業プログラムを提供している博物館があるだろうか。あれば是非活用したい。いずれにしても、情報化の流れは今後も止まることはない。この流れをうまく活用すれば、世界中の学習資源を活用できる。受け手側の学校も発信側の博物館なども、情報化を意識した取組が必要な時期が来ていると思う。 
日本の学校はどうして?
 残念なのは、日本においてはこの様な取組が他の先進国と比べて著しく遅れているということだ。昭和の教育を平成になってもやり続けている。新しい取り組みへの提案には「足が地に着いた取組でない」といった見当違いの批判を平気で繰り返すベテラン教師。国や自治体が厳しい予算の中で投資したICT機器も学校現場ではあまり活用されず、教室の片隅に追いやられている。そのことについての反省もなく、また誰も責任を追及することも、されることなく終わる日本の教育界。何かおかしいと思うのは私一人だけだろうか・・・・。
 ともかく私としては定年までのわずかな時間を自分の信じる「教育の情報化と国際化」に向けて、老骨に鞭打って今後も頑張ろうと思う。さて今も、ベトナムの先生からスカイプで連絡が入った。それでは、この辺で今回は失礼します。

梅田 昌二(うめだ しょうじ)

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭
10年前の2001年1月に韓国交流校を訪問、その先進性に驚嘆。以後、学校の情報化と国際化に微力ながらも悪戦苦闘の日々を継続中。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop