2011.06.06
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

オーストラリアの日本語教育

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭 梅田 昌二

  

 日豪テレビ会議交流

 2003年7月には、アジアの国だけでなくオーストラリアの情報教育や国際教育について勉強できる機会を得ることができました。これは同じ河内長野市内の長野高校からの依頼です。オーストラリアの姉妹校へのホームステイ旅行計画に一緒に参加してほしいとのことです。理由は現地でテレビ会議のシステム支援をお願いできないかということでした。夏休み期間でもあり、日豪でのテレビ会議交流には興味があったので喜んで参加させていただくことにしました。訪問したのはメルボルン近郊にあるサンバレー高校です。広々としたキャンパスとロビーにおかれている最新のコンピュータの数に驚きました。また校内を見学させていただくと、全ての教室にコンピュータとインターネットが整備されていました。ここでもやはり、日本のICTの教育活用の遅れを痛感しました。

 テレビ会議での日本との接続テストは、なかなか繋がりませんでした。これはビクトリア州教育省のネットワークに問題がありました。どうしてもそこで通信ポートの解放などの対応が必要だということが分かりました。幸いこのサンバレー高校の校長先生と教育省のテレビ会議システム管理者とは知り合いだということが分かり、早速お願いに行くことになりました。教育省ではすばらしいビデオ会議システムや管理システムを見せていただき、とても良い勉強になりました。この訪問のおかげで、何とかテレビ会議システムの設定に対してご協力いただき、帰国後直ぐに長野高校とサンバレー高校との交流授業が成功しました。

小学校での日本語教育

 このオーストラリア訪問期間中に小学校の様子も知りたいと思い、サンバレー高校の校長先生にお願いしました。直ぐに、近くのブラックロック小学校に電話で連絡を取っていただき、了解をいただきました。早速、訪問させていただくことになりました。行ってみると、小学校でもパソコン教室はもちろんのこと、どの教室にもインターネット接続されているコンピュータが2~3台整備されていました。

 それ以上に驚いたことは、日本語の授業が行われていたことです。小学校で外国語の学習、それも日本語です。日本では、ようやく今年から外国語活動が5.6年生で週1時間、実施されるようになりました。この8年前に見たオーストラリアでの現実に、日本の外国語教育(英語教育)の立ち後れを痛感しました。世界は国際化・情報化の流れが確実に進んでいます。日本だけがその流れに乗れず、遅々として教育環境が変わらないのは残念でなりません。「教育は国家百年の大計」といわれています。日本の「 失われた10年」が20年にさらに百年にならないことを願うのみです。

 

 

梅田 昌二(うめだ しょうじ)

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭
10年前の2001年1月に韓国交流校を訪問、その先進性に驚嘆。以後、学校の情報化と国際化に微力ながらも悪戦苦闘の日々を継続中。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop