2011.05.31
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ライブな授業で眠らせない!

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

私の授業、特に日本史の授業で生徒がよく寝ます(笑)。授業内容は自分なりに工夫しているつもりなのですが・・・。歴史好きな生徒は良いのですが、興味の無い生徒など、最初から「試合放棄」。なんとか顔をこちらに向けさせようとしますが、なかなかこれが大変です。

 

一般的な日本史の授業スタイルといえば、教科書に書かれている「歴史事象」を淡々と解説され、教科書に赤線を引き、要点がまとめられた板書をノートに写す。一方、歴史好きのマニアックな先生になれば、教科書から脱線し、それは楽しそうに歴史を語る、という感じになるのでしょうか。しかし興味のない生徒たちを完全に置いていってしまう危険性もあります。

 

日本史の授業、実は難しいのです。どうすれば寝ないで受ける生徒が増えるのか・・?

 

4月から自分なりの「授業改善」を試みました。

 

年度初めの最初の授業で、次のことを言いました。

・授業は「ライブ」である。先生の言葉をメモする習慣をつけなさい。

・意図的にまとまった板書はしない。先生の言葉と教科書・史料集から自分のオリジナルノートを作りなさい。

・抜き打ちで「授業内容確認テスト」を行う。

・このテストは、その時間で先生が話した授業内容を200文字でまとめる。ただし、ノートを見ながら書いてもよい。

・このテスト結果は定期考査にて点数化する。

 

授業は「ライブ」。大学時代の先生がよく言われていた言葉です。ライブは双方向(インタラクティブ)ですよね?そこにヒントが隠されていました。

 

なぜ授業で寝てしまうか?それは授業が単方向だったからです。いくら時間をかけ教材研究し、きれいに単元をまとめ、教案通りに進めても、それが生徒に届かなければ意味がない。

 

双方向でライブな授業といっても、1クラスが30人以上いる教室で全員相手に対話する時間はありません。そこで、生徒側に強制的に「ライブ」に参加されるためのメモとりノート作りを考えました。しかも、ノート作りの評価は、200字論述というハードルの高い抜き打ちテストで試される。

小テストは1回あたり4点。月に2回ほど、事前予告なしで行いました。採点基準は、最初のテストでは、授業内容の必要事項が抑えられていたらOKとし、文章の善し悪しは無視しました。ただし、「授業内容確認」ですので、感想を書いたものは減点。

 

授業してみて、先生・生徒共、非常によい緊張感です。「グルーヴ感」というやつでしょうか?(笑)

 

先日、この授業をはじめて最初の定期考査がありました。難易度は例年並みですが、全体の平均点がアップしました。「日本史の授業は厳しい」と陰口を叩かれているようですが、寝る生徒は激減しましたし、平均点向上という数値での結果も見えてきました。

 

さて、次はこの「勢い」を1年間継続させること、そして、自分自身の授業内容をより魅力的にすることです。

 

もう「眠い日本史」なんか言わせないぞ!

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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