2011.05.23
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シンガポール交流校訪問で感じたこと

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭 梅田 昌二

                 
シンガポールでのコンピュータ活用 

 韓国の先進性に驚いた私は、他のアジア諸国はどうなんだろうと思いました。そこで2004年1月にはシンガポールの交流校サウスビュープライマリースクールを訪問させていただきました。この学校とは2002年7月にシンガポールで行われたItopia2002(シンガポール教育省主催の情報教育実践報告大会)で協働プロジェクトを立ち上げ日本からインターネット参加させていただいた経緯があります。また2002年10月には日本で企画したインターネットコンサート、4カ国音楽交流会(シンガポール・カナダ・韓国・日本)に参加していただきました。そんな交流関係がありシンガポールの学校からのお誘いもあり校長先生と一緒に訪問させていただきました。訪問してまず驚いたのは、とても美しい校舎にコンピュータなどの教育設備が充実していることです。しかも、そのコンピュータ教室は空き時間無しにフル稼働していて子どもたちが常に学習していました。コンテンツも充実していて算数や理科などの学習教材で、子どもちは真剣に学んでいました。会議室では校長先生から、天吊りプロジェクターの投影画面を見せていただきながら学校の教育活動の説明を受けました。聞けば、シンガポールでは1校あたりに在籍している児童が多く、午前と午後に分かれて子どもたちは登校しているとのこと。そんな中、授業効果を上げるためコンピュータは大きな力になっているとのお話を聞きました。やはり、ICTが授業改善に大きな力になっていることをここでも教えていただきました。そういえば、私の息子も高校3年生の時、大学受験の予備校で英語のCDを持ち帰り、その教材ソフトで学習していました。塾などのきちんとした成果を求められる所ではドンドン、コンピュータの活用は進んでいるのだと感じました。そうしてみると日本の公教育の現場だけが、ICTを活用した授業があまり進展していないように思います。コンピュータはあるけれど多くの学校で、まだまだ十分に活用できているとは言えない状況ではないでしょうか。 

日本の公教育の現場でなぜICT活用のスピードが遅いのか?

ケネディ大統領の言葉に「変化とは人生の法則である」「過去と現在しか見ない人は、確実に未来を失う」日本の学校現場はまさにそんな状況ではないでしょうか。世界の急激な情報化・国際化の流れの中にもかかわらず、相変わらず10年間隔で指導要領を変え、変えた頃には、時代はまたその先を行っている。時間をかけて指導計画だけを事細かくたてて、その計画通りにしか動けない。そんな学校現場で子どもたちは、本当に未来を切り開く力が身につくのだろうか? そんな重い想いをおみやげに関西空港に帰ってきた7年前でした。

梅田 昌二(うめだ しょうじ)

河内長野市立美加の台小学校 指導教諭
10年前の2001年1月に韓国交流校を訪問、その先進性に驚嘆。以後、学校の情報化と国際化に微力ながらも悪戦苦闘の日々を継続中。

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