みなさま、、お元気でしょうか。
先日の大地震の影響で
大変な状況下の方もいらっしゃるかと思いますが
この場では身の回りの出来事を
私の目を通して、相変わらず等身大に
綴っていきたいと思います。
ちなみに節電、私なりに取り組んでいますよ。
お米はガスで炊きます。
* * *
さて、2年間の非常勤講師を経て
この春から北区の私立学校にて中高の常勤講師として
リスタートすることとなりました。
不安もありますけど。いや、それより
「楽しみ」のほうが大きい。
* * *
楽しいという感覚は大切だと思います。
これは、何かを始めるときの原動力になります。
でも、この「楽しさ」が、いつまでも感覚のままではいけません。
知的好奇心を経て
やがて「探究心」に繋げねばなりません。
* * *
ここで少し思い出話を。
昨年度、私は非常勤講師のかたわら
週に一回、塾で中学2年生を教えていました。
最終授業が終わってから
「あのー先生……」
と、おもむろに生徒Aが
メッセージでいっぱいの色紙を手渡してきました。
どの生徒のメッセージにも
「厳しくてどうしようと思った」
とか
「授業についていけるか心配になった」
といった
『先生は怖かったよ』
という暗号が隠れていて笑えました。
ちょっとひっかかったのは、生徒Bのこの言葉。
授業が楽しかった―。
* * *
私は授業中に、塾でも学校でも、冗談をたくさん言います。
洋楽の歌詞などを話題にして
授業が脱線することもたまにはあります。
生徒の「楽しい」という感覚をツールとして
関心をまず私自身に向け、
聞く姿勢を整えたいわけです。
けれど「授業が楽しい」と言われると
「楽しさ」が好奇心や探究心にまで
繋がっていないのではないかと
心配になってくるのです。
* * *
その日、塾を出て帰ろうとすると
生徒Aが追いかけてきました。
聞くと、色紙を書くというのは彼女の案で
半月前から密かに準備していたとのこと。
有難くて心がじんとしました。
生徒Aは自転車を押して私と歩調を合わせながら
話し出しました。
「来年も先生が良かったなー」
しかし、私は学校を変えるのです。
新しい生活圏へ踏み込むことを
自分で選択したのです。
それは、塾の生徒たちとの別れでもありました。
私は生徒Aに返しました。
「来年はね、忙しくなるから
塾に来られなくなるんだよ」
生徒Aはうーんと唸ってから
「じゃあ仕方ないね」
と、納得しました。
もし彼女が
「やだ! 先生がいい!」
などと駄々をこねだしていたら
彼女の関心は英語ではなく
私自身に向いていたことになるでしょう。
けれど
彼女と私の関係は
そうした慣れ合いとはまた別物だったのです。
「この子は自分で頑張っていけるな」と
私は安心しました。
* * *
クラスに生徒が40人いたら
私の思いは1/40ずつしか伝わらないかもしれません。
それでも、一年後に
「英語が楽しくなったよ」と言われるよう
日々模索していきます。

四ツ分 祥子(よつわけ しょうこ)
駿台学園 英語科常勤講師
塾講師5年、私立高校にて非常勤講師2年を経験。2011年度から新天地で常勤講師として勤務。
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