2011.03.21
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えがお

北海道真駒内養護学校 教諭 遊佐 理

はじめに、僕が生まれ育った宮城県では、このたびの東日本大震災による大きな被害が報告されています。
記事を執筆している現在でも、多くの親戚や友人と連絡が取れない状況にあります。
震災に遭われ、現在も厳しい状況にいる方々のことを考えると、心が張り裂けそうになります。
今回の東日本大震災に際し、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げます。

 

2年間間担当していた「教育つれづれ日誌」も今回でひとつの区切りをつけることにしました。

ということで、今回は僕の信じるところについて紹介したいと思います。

以下の文章は、数年前に担任していたクラスの学級通信の最終号に掲載したものを抜粋したものです。

最後に、僕の信条をひとつ。僕はことあるごとに「笑顔がモットー」と言ってきました。なぜ僕がそこまで笑顔にこだわるのか…。

学生時代、ボランティアをしていましたが、今よりも根が暗く、陰気だな、と自分のことを思っていました。
そんな時、ボランティアのリーダーだった方が暗い表情の僕を見て「なに落ち込んでるの? せっかく生きているんだから笑って生きないと」と笑いながら教えてくれました。
それでも、なかなか表情が明るくならない僕に業を煮やして「無理にでも笑うの。そのうちに自然に笑顔になるから。人間は笑うために生まれてきたんだからもったいないよ」と笑いながら言ってくれました。
その人はどんなときでも笑顔を絶やさず、周りを笑顔で暖めるような、そんな人でした。昔も今も、僕にとってその人は人生の目標です。

それから10年。
おかげで僕は笑いすぎだというぐらい笑顔が似合う男になりました。
不必要に笑うので周りの人からは「ニヤニヤして気持ち悪い」と言われるまでになりました。

「笑っていれば、それでいいのか」など、いろいろご意見はあると思います。実際に「そんなに甘くはない」と言われたこともあります。
しかし、甘くはない人生だからこそ、僕は今、この瞬間の笑顔を大事にしていきたいと思っています。
今の笑顔を積み重ねることで、人生の最後の瞬間も笑っていられるように……。

以上、引用終了します。

今も、この想いに変わりはありません。
今まで、様々な出会いと別れを繰り返してきました。中には、つらい別れもあり、実は、ここで紹介したボランティアのリーダーの方も10年ほど前に他界しています。
つらい別れを経験するたびにいろいろな想いが胸を駆けめぐります。
しかし、最後には「人は笑うために生きている」という考えに還ってきます。

自分は、どんなときも笑顔あふれる思い出をひとつでも多く持っていたいし、みんなにも笑顔あふれる思い出をひとつでも多く持っていてほしい、と切に願っています。

ただ、ひとつだけ補足すると、常に面白おかしくということではないのです。
人生の中には楽しくないこと、つらいこと、悲しいこともあるのは当たり前で、そういうときには我慢しないで素直に落胆し、悲しむべきだと思いますが、その先には必ず笑顔があるということを信じられる人生を送りたい、ということなのです。
どんなにつらいときも決してあきらめることなく、「最後に笑うのは僕だ」と思えるのが大切なんだと、そう思います。


今後ですが、北海道札幌養護学校でご活躍されている青木一真先生がつれづれ日誌の執筆者に加わっていただけることになりました。

青木先生は、特別支援教育に関して深い教養と高い実践力を持っている方です。
そして、教育に対する情熱と誇りも併せ持つプロフェッショナルの先生です。

少し前に、青木先生とお話をする機会がありました。約2年ぶりの再会ということもありますが、トイレに行くのもおっくうになるぐらい話に夢中になり、気づいたら4時間も話をしていました。
それぐらい、青木先生には人を引きつける何かを持った、とても素敵な先生です。

そんな青木先生が書く文章はとても魅力的で、メールなどで青木先生の文章を目にする度に、いつか、つれづれ日誌の執筆者になってほしいと願っていました。
今回、その念願が叶うことになり、一読者として今からワクワクしています。


最後になりますが、
今まで、僕を支えていただいた学びの場.comの関係者の皆様、そして、僕のつたない文章を読んでいただいた読者の皆様に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。

そして、皆さんの心の中に、たくさんの笑顔があふれますように…。

遊佐 理(ゆさ おさむ)

北海道真駒内養護学校 教諭
特別支援教育コーディネーターになって3年目。特別支援教育のプロフェッショナルとして、笑顔で人と人とをつなぐことを目指して頑張っています。

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