2011.03.02
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1分間スピーチ

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 国立の教員養成大学で、「1分間スピーチ大会」を開いたという記事を目にしました。この大会は、大学の就職指導室が主催したもので、「1分間スピーチ」は、就職活動の面接で自分を表現するプレゼンテーション力やコミュニケーション力を身につけるトレーニングの1つとして実施したとのことでした。
 
 私は小学校高学年の頃に「1分間スピーチ」を体験していましたので、今は大学生が行うのかと少し驚きました。
 小学生が、どのように「1分間スピーチ」を行っていたかというと、毎朝、朝の会で日直2人が一人ずつ「1分間スピーチ」を行っていました。小学生なりに前の日に「起承転結」を簡単に書いた原稿メモを作り、私は家で1分間を計り練習して、本番に望みました。
 時間オーバーした子が途中で終わりと言われたのかは覚えていませんが、朝の貴重な連絡の時間ですから、ダラダラと話すわけにはいきません。
 
 当時は、先生が提案したから、やっていたというのが本音ですが、そんな体験を続けていたので、「何分」という時間設定のある場合は、その設定時間に話すように気をつけています。特に会議等で設定時間を守らず、自分の言いたいことを最後まで話す人がいるとどうしてメモを作ったり、練習したりしないのだろう? と思ってしまいます。
 子どもの頃の学びに感謝するとともに、学びを習慣にする努力の必要性を感じています。

  「1分間スピーチ」を提案した先生は新卒で私たちを担任し、私は教え子で教師第1号になりました。そのため、先生とは卒業して何十年もたちますが、今も時々連絡を取っています。先日、先生に会う機会がありました。
 そこで先生に「なぜ1分間スピーチを始めたのですか?」と質問したところ、「自分が人前で話すことが苦手だから、みんなには人前で堂々と話せる人になって欲しかったからだ」と話されました。
 
 私にとっては、この「1分間スピーチ」の体験が今もしっかりと染みついています。
 こうしてみると小学校の担任の先生の影響は、本当に大きいものです。
 学校現場を離れて14年経ちますが、帰りの電車の中、担任した子どもたちの顔が次々に浮かびました。
 私の教え子達も私の試みたいくつかの取り組みを今も覚えていてくれるだろうか? という思いがふと胸をよぎりました。

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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