2011.02.28

左利き？右利き？

学校法人山陽学園　山陽女子中学・高等学校広報室長　野村泰介

私は文字を書くときは左を使用します。食事の箸も左です。左で文字を書く自分を見て「かわいそう」と言われたことがあります。余計なお世話です（笑）。かつては少数派であった左使いは「ぎっちょ」と呼ばれ、ある種差別の対象でした。左で鉛筆を持つと右に持つように「矯正」されました。現在こそ、露骨な差別意識はなくなりましたが、私がひねくれているだけなのかもしれませんが、「右手使い中心」の社会が左利きを無意識に排除しているような気がします。

学校で全校生徒を対象に利き手の調査を行いました。中学１年生から高校３年生まで回答してくれた生徒は４５５名。そのうち右利きが８８％、左利きは４％でした。

右利きの人で、かつて左利きであったが矯正されたかどうかを尋ねたところ、約４％が幼少期に直されたそうです。

左利きで損したことを聞いたところ、習字がたいへん、食事をするときに隣の人に手が当たる、硬筆の手本が見にくい、といった回答が集まりました。逆に、左利きで得したことも聞いてみたところ、珍しいと言われる、スポーツで有利、縦書きだと手が汚れない、といったものが集まりました。

さて、私はパソコンのマウスやスプーン・フォークは右で使います。一般的に箸や鉛筆を左で使うと「左利き」とされています。長年自分は「左利き」と言われ、自分でもそう認識していました。しかし、単純な左利きではなさそうです。利き手を調べる方法として「エディンバラ・テスト」というものがあります。それは以下の項目で、どちらの手を使うかを調べます。(1)消しゴム (2)マッチする時の軸 (3)はさみ (4)押しピン (5)果物の皮をむくときのナイフ (6)ネジまわし (7)釘を打つときのハンマー (8)カミソリまたは口紅 (9)歯ブラシ (10)ボール投げ。左手ならマイナス１点、どちらもあるなら０点、右手ならプラス１点で計算。合計がマイナス４点以下なら左利き、プラス８点以上は右利き、それ以外は両利きとされています。このテストの結果、私は「両利き」でした。

世の中の多くは多数派である「右使い」中心に動いています。私自身、ギターやゴルフといった一般的に右使いの道具が多いものは右を使います。卓球や野球のバットはその道具に右左関係ないので両方使えます。両利きの私は社会の大勢に合わせて右・左を使いこなしているようです。そのため、日常生活に困ることはほとんどありません。それでも、左を「お茶碗を持つ方」という言い方にはやっぱり抵抗がありますね。

みなさんは何利きですか？