2011.02.14
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門田かいわい歴史散歩プロジェクト

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

前回、岡山東山郵便局での風景印配備依頼についての話題を書きましたが、このきっかけとなった「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」についてお話します。

山陽女子高校の所在地である岡山市中区門田屋敷周辺は、明治期より、石井十次の設立した岡山孤児院、日本にエスペラントや卓球を伝えたエドワード・ガントレットゆかりの地など、歴史的文化遺産が数多く残されています。しかし、現在の門田屋敷周辺は閑静な住宅地であり、当時をしのぶ遺物も少なく、その貴重な遺産は歴史の中へ埋もれてしまっています。このような現状から、地域の学校・大学・町内会・企業・福祉団体などと協力し、「歴史散歩」を企画することにより、門田地域に多くの人が訪れ、岡山近代文化発祥の優れた歴史遺産を知ってもらう目的で「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」をはじめました。

このプロジェクトの一番の中心は、「歴史散歩マップ」作成です。該当地域に16箇所の見学スポットを設定し、50分で歩いて回れるマップにしました。マップは私が顧問をしている編集部の部員を中心に昨年10月より作りはじめました。B4両面構成で表面にプロジェクトの説明、16箇所の歴史的背景などの簡単な説明、裏面にイラスト入りの地図を配置しました。

マップは製作開始から約4ヵ月後の今年1月、完成しました。せっかく作ったマップ、多くの人にみてもらいたいですよね。生徒たちは色々とPRの方法を考えました。その中で浮上したのが、普段通学に使っている路面電車内でマップの宣伝をしよう、という大胆なものでした。

岡山市内を走る路面電車は、JR岡山駅から今回紹介する地域内の東山まで走っています。マップをPRし、地域の知名度が上がれば、そこを訪れる人も増え、路面電車の乗客も増え、私たちと路面電車の会社双方にメリットがあるのではないか?生徒たちは単純にそう考えたのです。

生徒から相談を受けた私は、「すぐに実行のために動こう!」と背中を一押し。さっそく路面電車の社長に私たちの企画を説明しました。生徒の提案に賛同してくださった社長もすぐ動き、路面電車を使ったPR計画はとんとん拍子に進んでいきました。

「門田かいわいイラスト電車」と名づけられた路面電車は、岡山で走る最古の車両(車齢58年)を選び、車内を生徒の描いた、16箇所の見学スポットイラストや、自由にマップを取ることのできるラックを置きました。

2月6日、岡山駅前路面電車停留所にて「門田かいわいイラスト電車」出発式セレモニーが盛大に行われました。セレモニーには、路面電車社長、地元町内会長、岡山市役所幹部、山陽女子中学校・高校校長が参加され、また多くのマスコミが取材に訪れ、とても賑やかなものとなりました。司会をつとめた生徒は多くの大人に注目される中、緊張しつつも立派にこなすことができました。
今後は、作ったマップを多くの方に見ていただき、この門田屋敷周辺に多くの人が訪れるようになればと思います。

限られた文面ではわかりにくい点も多いと思いますので、詳しくは、「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」ホームページをご覧ください。(http://www.sanyogakuen.net/kadota/index.html

画像1枚目 門田かいわいイラスト電車内部(飾りつけ前)
画像2枚目 料金箱上に置いた「門田かいわい歴史散歩プロジェクト」紹介カード
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野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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