2010.11.22
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普通教科「情報」

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

 高等学校では、卒業するためにすべての生徒が履修しなければならない「必履修科目」というものがあります。例えば、国語なら「国語表現」か「国語総合」を、地理歴史なら、「世界史A」または「世界史B」1科目と、「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」の中から1科目の計2科目と、決められています。その中でも普通教科「情報」は不思議な教科です。「工業」「商業」などの区分の専門教科「情報」は以前からありますが、それと区別するために普通教科という書き方をします。

 普通教科「情報」は、2003年度の入学生から授業が始まった歴史の浅い教科で、「情報A」「情報B」「情報C」の中から1科目の履修が義務付けられています。教科ですので、授業を担当する先生は「情報」科の教員免許が必要になります。しかし、ほとんどの高等学校で普通教科「情報」のための先生はいません。なぜならば、旧文部省が普通教科「情報」の設置を決めたのが1999年。授業が始まったのが2003年。教科設置決定から4年で、すべての高校の「情報」の授業を準備をしなければならなかったのです。そこで、現職の他教科(数学・理科・家庭科などが中心)の教員に研修などを受講させ、短期間で免許を発行して対応しました。その他、通信制大学などの科目を受講し、免許を取得した教員も多くいます。

 冒頭の話題に戻ります。普通教科「情報」はなぜ不思議なのか?上記のような事情のため、「情報」科はどうしても寄せ集め感が否めません。「教科」の力が比較的大きい高校の現場では異質な存在です。授業においても、その道の「プロ」が授業するわけでもないので、どうしても授業も単調になりがち。教員・生徒共に厄介者扱いされてしまうことが多いのです。専門教科以上に熱心な先生もいるのですが、あまり多数派ではないため、他の情報担当の先生との温度差を微妙に感じたり、公立の場合、その先生が転勤してしまった後、後任者にうまく引き継ぎできなかったりといった問題も生じています。
 結局、授業は無難に「ワープロ・表計算・プレゼン」ソフト3点セットを使いこなす技術伝達におさまってしまいがちです。本来の教科が求める目標はそんな単純なものではないのですが・・・。

 先生たちの低いテンションをよそに、生徒たちのスキルはこの教科がスタートした7年前に比べて格段にアップしています。7年前は高校にあがり、はじめてキーボードを触るという生徒もまだいましたが、現在では小中学校の段階でパソコン操作を一通りマスターしているケースが多くなっています。「ワープロ・表計算・プレゼン」ソフト3点セット授業ではもはや時代遅れなのです。「情報の授業=パソコンの授業」という感覚を改めることが授業改善の第一歩。

最後になりましたが、私、実は今年、普通教科「情報」の教科主任なんです。本職は「地歴・公民」。全くの畑違いなのですが、「やらされている」という意識を捨て、自分なりの楽しい授業を組み立てられるよう、日々研究していこうと思います。このエッセイでおもしろい実践報告ができるように・・・。

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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