2010.10.27
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「ソロ活動」って知っていますか?

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

「ソロ活動」と言う言葉を聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
「ソロ活動」と聞くと、音楽グループ等が解散したり、活動を休止したりして、一人で活動することのように感じる方が多いのではないでしょうか?

 実は、自然体験活動の中にも「ソロ活動」と呼んでいる活動があります。
 先日、新任職員研修で実施した「ソロ活動」をご紹介します。今回の新任職員研修は、9日間という長い研修であり、11人のメンバーがずっと一緒に研修を受けていました。
 そこで、一人でちょっと自分を見つめる時間を設定しました。

 「ソロ」ですから、当然、集団から離れて一人で過ごします。今回は、他のプログラムの関係で1時間程度の時間をメンバーが見えない程度の距離の野外(自然の中)で実施しました。
 「ソロ活動」中に何をするかは、参加者が自分で決めます。例として(1)採用されてから、現在までと今後の自分の将来をゆっくり見つめる。(2)今までの研修を振り返り、明日からの研修への対応を考える。(3)仲間と自分とのかかわりを考え、自分の人間関係を見つめる。(4)自然の中に身をおき、どっぷり五感で自然を感じる。等を示しました。

 参加者の感想に『自分を見つめる良い機会でもあり、1時間がたっぷりあると感じました。自然の中で私は生かされていると言う思いが込み上げてきました』とあり、プログラムを企画した者としては嬉しく思いました。

 キャンプインストラクター養成講習会でも、「ソロ活動」を実技に取り入れているようです。
 また、小学校低学年のキャンプでも、ソロテントづくり(木の棒とシートで家づくり)をし、自分がつくったソロテントで、一人で寝るという活動をしているところもあります。

 「ソロ活動」を実施することにより、集団活動と個の活動を効果的に取り入れることができます。以前勤務していた施設で中学生を対象に今回実施した活動と同じ「ソロ活動」を実施したことがあります。中学生の感想には『自分の将来について考えたのは初めてだった』『雲の流れをただずっと見つめていました』等がありました。
 これも一人(ソロ)を体験しなければ感じなかったことかも知れません。
 
 「集団活動」は、課題解決のための合意形成・集団維持の必要性を感じるとともに,コミュニケーション能力を高める事ができます。
 「ソロ活動」は、自己を見つめ、自分を振り返ることや仲間の大切さを改めて一人になることで感じる事ができるプログラムだと思っています。
 集団宿泊活動などの体験活動に「ソロ活動」も取り入れることで新たな発見ができるのではないかと考えます。 

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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