2010.09.17
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プロフェッショナルのひとつの側面

北海道真駒内養護学校 教諭 遊佐 理

つれづれ日誌第七期も今回で最後の記事となりました。

第七期では、主に、自分の特別装備のことについて、今経験していることなどを話してきました。

そんな中、プロフェッショナルとしての自分の仕事について、いろいろ考える機会がありました。

現在、コーディネーターとして感じていることは、バランス感覚の大切さです。

いろいろな支援を行うときや、地域学習の打ち合わせなどを行うときに、つい「こうあるべき」と言ってしまうことがあります。たとえば、「どんな子どもたちにも、座った姿勢が大切」とか、「地域学習では授業の参加がいい」とか…。

僕もそうですが、どうしても、自分が経験したことからいろいろなことを語っていくことが多いので、気をつけていないと偏った意見になっていることがあります。特に、テクニックやハウツーに偏っているときにはそんな傾向が強くなるような気がします。

そうなると、あらゆるところで対立が起こり、相手を説き伏せようとするあまり、子どもにとって一番いい支援という視点がなくなっていることがあります。
僕の苦い経験から言うと、そうなると、長時間話し合って決めたことだったのに、実践せずに終わってしまうことが多いと思います。


そうならないよう、コーディネーターとしてやるべきことは、どの意見も排除することなく調和を保ち、様々なものの見方をみんなで整理していくことだと思っています。

ただし、調和を保つということは自分が信じていることと無理矢理変えるということは別のものであると考えています。
あまり主張しない僕でも、時には自分の考えを主張することだってありますが、そんなときも「他の視点で考えると…」ということを頭の中に入れておき、そういった視点を与えてくれる、僕とは違った意見を尊重することが必要だと考えています。

そこで、前回の記事とつながっていきます。

前回書いたような、ちょっとした実験や自分の体験など、具体的なものがあると、様々な視点を得ることができ、そこから出てくる言葉は聞いている人たちの心に届きやすいような気がしています。

まずは、自分自身が様々な視点を持っていろいろなものを見ていく力を身につけることと、そして、様々な視点から見えてきたことを整理して相手に伝えていく力を身につけること、それらのことが特別支援教育のプロフェッショナルのひとつの側面ではないかと思っています。


と言いつつ、僕自身、バランスを保つというよりも相手から嫌われるのではないかと消極的になっていることがあり、そのせいで調和が保てずに落ち込んでしまいさらに消極的になってしまう、ということがあります。
そんなときは、その都度いろいろな方法で自分の気持ちを盛り上げ、積極性を失わないようにしています。

現在、プロフェッショナルへの道は結構険しいことを実感しながら目の前の仕事を一生懸命こなす日々を送っています。

僕の意見が意見の対立で悩んでいる方の参考になればいいな、と思います。

今後についてですが、第八期も執筆することとなりました。
いろいろなことを様々な視点からバランスよくお伝えできれば、と思っていますので、よろしくお願いいたします。

遊佐 理(ゆさ おさむ)

北海道真駒内養護学校 教諭
特別支援教育コーディネーターになって3年目。特別支援教育のプロフェッショナルとして、笑顔で人と人とをつなぐことを目指して頑張っています。

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