2010.08.18
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島での合宿

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

人口70万人の政令指定都市である岡山市にはたったひとつだけ有人島があります。人口50名強のその小さな島の名は犬島。瀬戸内海に浮かぶその島は、最寄の港から小型の定期船で8分ほどで行くことが可能です。島には学校もコンビニもありません。医療機関は開設日が限られている小さな診療所がひとつ。どれだけ寂れた島なのでしょう・・・?いやいや、実はこの犬島、アートで島おこしに成功した、とってもアツいスポットなのです。

今年7月から「海の復権」をテーマに岡山・香川の瀬戸内海の島を会場に「瀬戸内国際芸術祭2010」が行われています。犬島もその会場のひとつとなっています。

私が指導する編集部(学校新聞を製作する部活動)では、先週、犬島で合宿を行いました。9月に発行する新聞に「瀬戸内国際芸術祭」のレポートを書くための取材が目的です。

この編集部、部員は少ないのですが、日常の学校生活で全員が顔を合わすことはまずありません。なぜなら部員の学校生活には中学生、高校生、高校生の中でも授業時間帯の違う複数のコース、と色々なパターンがあり、それぞれで部活動の時間も違ってきます。その上、他の部との兼部も多いため、全員が顔を合わせて活動することはほぼ不可能なのです。

そこで、夏休みを利用して、表向きは「取材合宿」ですが、部員のコミュニケーションを図る目的で合宿を企画しました。昼は海水浴、夜は中学生と高校生が力を合わせて食事を作り、夜は部員全員集まって、「記事の書き方」勉強会。ハードスケジュールながらも学校を離れての合宿は彼女たちにとってとても楽しかったようです。

「瀬戸内国際芸術祭」の方は、犬島の観光目玉である「精錬所跡地」を見学しました。ここは100年前に大規模な銅の精錬工場として大変活気のあった場所ですが、工場の閉鎖と共に設備は放置され廃墟化しましたが、奇跡的にレンガ作りの煙突を中心に遺構がきれいに残っています。
この跡地を利用して様々なアートが展示されていました。

犬島は学校から90分ほどの本当に近いところなのですが、たった数分のことですが、船に乗って海を渡るというという体験がよかったのだと思います。また、彼女たちには島の生活の大変さ、アートによって人口の何十倍もの人が集まる様子などを目の当たりにすることによって得るものも多かったのではないでしょうか。

 今回の合宿の成果は、9月に発行する新聞の特集記事になると同時に、やはり9月上旬に行われる、本校の文化祭でもパネル展示を行います。
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野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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