2010.07.20
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連携を進めるための小さな取り組み

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 社会教育で実施される「豊かな人間性や自主性・社会性を培う」という事業の目的は,一過性の事業の中だけで達成することは難しく,事業後の学校や家庭の中で継続され,習慣化されてはじめて達成すると考えます。
 そのためには,社会教育・学校教育・家庭教育との連携がキーポイントとなります。

 私は、小・中学生対象の事業を企画することが多かったので、自分が企画した事業を実施した後には必ず、参加した子ども達の校長先生へ「はがき」を出していました。管理職となってからも、施設で行う小学生・中学生対象の事業の実施後には、各学校の校長先生へ「はがき」を出しています。
 「はがき」には、事業の実施日や事業の趣旨の他に、何年生の○○さんが参加したと具体的に書いています。子ども達の体験活動の様子だけでなく,朝会等で全児童・生徒に紹介して欲しいと記して,直接「はがき」を送っています。

 学校に児童・生徒の事業における姿をお知らせするのは,学校外における子どもの体験を学校内の指導に役立ててもらいたい事と児童生徒の好ましい変容を強化して欲しい事の2つの願いから、実施しています。
 一方,児童・生徒の体験後の変化を学校や家庭から,事業の主催者に伝えて欲しいと願っています。その連携があれば更に効果的な自然体験活動プログラムの開発に役立てることができると思っているからです。

 しかし、学校から施設へ連絡をいただける回数は、少ないのが現実です。先月実施した1・2年生対象の「タイニーキャンプ」という事業後、一人の校長先生から、「はがき」が届いたと電話を頂き、参加した子どもの学校での様子を聞くことができました。数少ない連絡だからこそ、連絡を頂けた時の喜びはひとしおです。
 本当は、担任の先生と連絡を密にしたいところですが、残念ながらそこまでは取り組めていません。

 更に、家庭との連携を強化するために,全ての事業ではありませんが、事前と事後に保護者の方に記述式アンケートを実施しています。事前に事業に対する保護者の方の期待を知ることができるとともに,参加後の変容について施設と家庭で情報を共有したいと思うからです。
 私は、子どもの健全な成長への願いを結びつけるには,まず実施可能な連携を見つけ,始めてみることだと思い、約10年青少年教育施設でこの取り組みを続けています。
 なかなかすぐには、結果に結びつきませんが、この地道な取り組みが連携を進めるためには、大切だと思っています。

 20日から夏休みに入られた学校も多いと思います。是非この夏休み中に、社会教育施設・地域・家庭との連携を進めていただきたいと願うばかりです。

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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