2010.07.06
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子どものころの豊かな体験活動がその後の生き方にも好影響を・・・

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 子どものころの自然体験などが、その後の人生にどんな影響を及ぼしているのかを調べた「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」の中間報告が、独立行政法人国立青少年教育振興機構から出されました。この調査結果によると子どものころに豊富な体験活動をしている者ほど、大人になってからやる気や生きがいを持つ割合が多いということがわかりました。

 調査は、昨年11月、インターネットを通して、20~60歳代の男女5000人と学校を通して、小学校5年生~高校2年生約1万1000人を対象に実施されました。
 成人調査では、子どものころの「自然体験」「友だちとの遊び」「地域活動」の多寡が、現在の生き方や考え方などにどんな影響を及ぼしているのかを調べています。

 「何でも最後までやり遂げたい」という質問に「とてもあてはまる」と回答した者は、「自然体験が何度もある者」約33%、「自然体験がほとんどない者」約22%と約11%の差が出ました。
 同様に、「交通規則など社会のルールは守るべきだと思う」という質問に「とてもあてはまる」と回答した者は、「友だちとの遊び経験が何度もある者」約64%、「友だちとの遊び経験がほとんどない者」約47%と約17%の差が出ました。
 また、「できれば、社会や人のためになる仕事をしたい」という質問に「とてもあてはまると回答した者は、「地域活動に参加した経験が何度もある者」約43%、「地域活動に参加した経験がほとんどない者」約27%と約16%の差が出ました。

 この調査からは、「自然・友だち・地域の人々」と関わった子ども時代の多寡が、その後の学歴にも関係していることもわかりました。
 例えば、最終学歴が「大学・大学院」なのは、「体験が多い者」約50%、「体験が少ない者」約45%と約5%の差が出ました。

 成人調査は、インターネットを通した回答であるため、必ずしも大人全体の実態を反映しているとは言えませんが、「自然・友だち・地域の人々」と関わった子ども時代の多寡が、その後の生き方や行動の違いとして表れ、具体的な学歴などにも表れたとみることができます。
 興味のある方は、以下でご覧ください。
http://www.niye.go.jp/houkoku_srch/chosa_cts.php?insid=110

 夏休みは、自然体験活動の絶好のチャンスです。前掲の調査から、子どものころの体験活動の多寡が、その後の生き方に好影響を与えているとみることができました。そこで、是非子どもたちに夏休み期間中の自然体験事業の情報を伝えて欲しいと思います。
 全国の青少年教育施設では、この夏休みに沢山の自然体験事業が実施されます。
 私の勤めている施設でも、小学校5・6年生を対象に「自然の中でサマーキャンプ~体験・感動・成長の夏!~」を8月3日~9日までの6泊7日で実施します。
 申し込み〆切は、16日までです。こちらも興味がある方は、以下で開催要項と申し込み用紙をダウンロードできます。
 http://takato.niye.go.jp/event/honnendo.html

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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