2010.07.07
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でっかい夢づくり前編

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長 野村 泰介

山陽女子中学・高校の放送部で、現在あるひとりの中学生、W君との交流を行っています。W君は千葉県の出身ですが、現在はオーストラリアのカウラに留学中です。

 私たちは一昨年前より「カウラ事件」について調べています。カウラ事件とは、1944年8月に、オーストラリア、カウラの戦争捕虜収容所で起こった大規模な日本人捕虜脱走事件です。この事件により、230人以上の日本人が亡くなりました。

昨年、私たちを含む生徒とカウラを訪問し、現地の人と交流しました。このとき感じたのが、平和のためにはお互いの理解が必要だということ。放送部ではこのことをテーマにビデオ番組制作をしました。

このことを知ったオーストラリアのW君から私たちのもとにメールが届きました。
「でっかい夢づくりを応援してください!」

W君は野球が大好きな中学生。中学入学後は迷わず野球部に入りました。しかし、そこで起きた様々なトラブルから不登校になってしまいました。しばらくは自宅に引きこもりがちな日々が続いていたようですが、W君は自分を変えるために単身カウラ行きを決意。カウラで大きな夢を描くようになったのです。

-カウラの地で野球チームを作ってプレーしたい! W君の夢です。

へ?・・・野球チームを作ることが夢だって?と思われる方も多いでしょう。
実は、カウラでは野球はマイナースポーツ。チームもなければ、道具もありません。ルールを知らない人も多くいます。当然、野球場などあるはずもないです。そのような中で、W君がひとり、立ち上がったのです。

カウラで野球を・・・このことは私たちも興味を持つところです。
今から65年以上前の第二次世界大戦中、カウラの捕虜収容所にいた日本兵たちは手作りのバットやグローブを使って、草野球を楽しんでいました。しかし、脱走事件の際、それらのバットやグローブは武器の代わりに使われました。それらの証言を脱走事件体験者から直接聞いていた私たちは、W君のメールでの依頼に協力することにしました。

日本の岡山とオーストラリアのカウラ・・・。どのようなことができるのでしょうか?生徒たちの奮闘が始まりました。

続きは次回!

野村 泰介(のむら たいすけ)

学校法人山陽学園 山陽女子中学・高等学校広報室長
今年創立125年の女子校の広報を担当しています。岡山市内唯一の女子校として、その特色をアピールできればと思います。

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