2010.04.27
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「アイスブレイク」を活用してみませんか・・・

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長 松村 純子

 学校教育からしばらく離れていましたが、現在、週に一度大学で非常勤講師をしています。社会教育主事の任用資格取得のために必要な「生涯学習論Ⅰ」を教えています。生涯学習に関する理論だけでなく、実際に社会教育主事として、必要なさまざまな手法や運営方法を学生に実践を通して伝えたいと思っています。
 学習者の主体的な活動や行動を促す「体験学習法」は、「参加型学習」や「ワークショップ」の中で用いられ、社会教育においても学校教育においても重要な学習方法となっています。社会教育の現場では、研修や事業のはじめに「アイスブレイク」というアクティビティを行います。「アイスブレイク」とは、氷を砕くという意味で、参加者のみなさんの緊張した堅い雰囲気をほぐすために行います。学校現場でも最近は使用することが多くなった言葉なので皆さんも知っていると思いますが、前任の施設で、教員から出向している職員が、研修のしおりに「アイスブレイク」という文字を見つけ、アイスを食べながら一休みする時間だと思ったという笑い話もあります。

 今回も最初の授業の前に、自己紹介のアイスブレイクを行いました。授業の終わりには、授業を振り返る「ジャーナル」を学生に書いてもらっていますが、その中の学生のコメントをいくつか紹介したいと思います。
 「同じ学科で話したことがあまりない人でも話してみると以外な共通点があった。」「自分たちでお互いにちゃんとした自己紹介というのは、今まであまり機会がなかったので、他の人の話を聞いて『なるほど』と思う事があった。」「自己紹介をして自分の知らない事を知ることも出来たし、自分の事を知ってもらう事ができた」「アイスブレイクを通して今までよく話したことのない人とも話す事ができた。教育の現場にこういったアイスブレイクが重要であると感じた。」等々。
 そう、学生の言うとおりです。知っているようでよく知らない教室の仲間たち。職員室で毎日顔を合わせているけど、あまり話したことない先生。学級PTAの堅い雰囲気を崩すために・・・。社会教育の現場だけでなく、学校教育の現場にもアイスブレイクの効用を活かせる場所がたくさん見つかります。コミュニケーション能力が低下していると言われている子どもたちや多忙感を抱えている先生方には、少ない時間で心がほぐれる「アイスブレイク」は、きっと有効なのではないかと思います。

 そうそう、私の行った「自己紹介」のアイスブレイクは、「デートゲーム」というものです。たくさんの自己紹介のアイスブレイクがありますから、対象者によってどれがいいかは、是非自分で選んで実践してみてください。
 紙面の都合上、今回の「デートゲーム」の詳しい実践方法は掲載しませんが、興味のある方は、ご連絡ください。

松村 純子(まつむら じゅんこ)

独立行政法人国立青少年教育振興機構 教育事業部 企画課長
元小学校の教師です。勤務地の異動に伴いしばらくお休みをしておりましたが、2年半ぶりの再登場です。「青少年の体験活動の重要性」を発信したいと思います。




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